カート落ちの理由トップは「送料が高いと感じた」が約36%、気が変わったが31%。購入する際に約7割が価格を重視

シナブルのファッションECサイトの利用実態調査によると、カート落ちの理由は「送料が高い」「気が変わった」「クーポンが使えなかった」の順に多かった。

鳥栖 剛[執筆]

2024年11月7日 7:00

ECサイト向けマーケティングオートメーション・CRMツール「EC Intelligence」の開発・提供を手がけるシナブルは10月30日、ファッションECサイトの利用実態調査の結果を公表した。カート落ちの理由トップは「送料が高いと感じた」が約36%で、気が変わったが31%。また、購入する際に約7割が価格を重視していることがわかった。

ファッションのEC購入で重視する要素

調査ではまず、ECサイトでファッションアイテムを購入する際に重視する要素について質問。「価格」が最多で67.0%、「サイズやカラーの豊富さ」(40.7%)「セールやクーポンなどの特典があるか」(38.4%)「商品の品質」(37.1%)が続いた。

カート落ちの理由

商品選びで迷って購入をやめた経験についても聞いた。「よくある」は35.2%、「ときどきある」が55.4%、「あまりない」が7.8%、「全くない」が1.6%だった。「よくある」「ときどきある」を合わせると、約9割が迷った際に購入をやめた経験がある。

ECサイト向けマーケティングオートメーション・CRMツール「EC Intelligence」の開発・提供を手がけるシナブル
カート落ちの理由トップ3は「送料が高い」「気が変わった」「クーポンが使えなかった」

購入をやめる理由についても調べた。「よくある」「ときどきある」「あまりない」の回答者に「商品をカートに入れた後、購入をやめる理由は何ですか?」(複数回答可)と質問したところ、「送料が高いと感じた」が35.8%で最多。次いで「カートに入れた後に気が変わった」(31.1%)「クーポンや割引が利用できなかった」(28.5%)と続いた。送料や割引の有無などが大きく影響することがわかった。

パーソナライズ提案の体験

ユーザーの行動履歴や購買履歴に基づいて、個々に最適化されたサービスや商品を提案するパーソナライズドサービスの接触経験などについても聞いた。「ある」は35.4%、「ない」は64.6%。

「ある」と回答したユーザーへ実際にどのようなパーソナライズドの商品提案を受けたかについて聞いたところ、「閲覧履歴に基づいた関連商品の提案」が42.0%で最多。次いで「過去に購入した商品に基づいたおすすめアイテムの提案」(39.2%)、「セールやクーポン情報の提案」(33.1%)となった。

ECサイト向けマーケティングオートメーション・CRMツール「EC Intelligence」の開発・提供を手がけるシナブル
パーソナライズドサービスの接触経験ありは35.4%だった

パーソナライズドの商品提案による購買意欲の変化についても聞いた。「変わらない」が47.0%で最多だったが、「とても高まる」が7.0%、「やや高まる」が39.2%となり、半数は購買意欲が高まっていることがわかった。また「やや低下する」は3.8%、低下する」は3.0%にとどまりネガティブな影響は少ないようだ。

また、実際にパーソナライズドの商品提案を受けたユーザーが購入に至る割合についても調べた。「実際に自分に合った商品提案(パーソナライズド)によって購入した経験がありますか?」の質問には68.4%が「ある」と回答した。

ECサイト向けマーケティングオートメーション・CRMツール「EC Intelligence」の開発・提供を手がけるシナブル
パーソナライズドの商品提案で消費者の半数弱は購買意欲が高まった

今後のECでの購入意欲

ECでのファッションアイテム購入意欲についても聞いた。「これからもファッションアイテムをECサイトで購入したいと思いますか?」との質問には、約9割がECサイトでの購入に前向きであることがわかった。ECサイトで購入をしようと思う理由は「価格が安い」が50.8%とトップ。次いで「時間や場所を問わずに購入できる」(45.7%)、「セールやクーポンが多い」(41.0%)と続いた。

ECサイト向けマーケティングオートメーション・CRMツール「EC Intelligence」の開発・提供を手がけるシナブル
約9割が今後もファッション商品のEC購入意欲あり。理由は「価格が安い」が半数

「どのようなECサイトならば、より購入したいと思いますか?」(複数回答可)の質問には、「誕生月にクーポンがある」が45.6%で最多。「会員限定セールがある」(41.9%)「お気に入りに入れている商品が値下げされたら通知がくる」(41.5%)と続いた。

ECサイト向けマーケティングオートメーション・CRMツール「EC Intelligence」の開発・提供を手がけるシナブル
より利用したいECの要素として「誕生月クーポン」「会員限定セール」「値下げ通知」があがった

調査概要

  • 調査期間:2024年10月7日(月)~2024年10月8日(火)
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査人数:1007人
  • 調査対象:調査回答時にECサイトでファッションアイテムの購入経験があると回答したモニター
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