企業は「年収103万円の壁」に前向き? 約7割が賛成、 9割が「撤廃」含め「見直し」求める
人手不足が深刻化するなか、年収の壁が引き上げられれば、パートタイマーなどの働き方が変わり働き控えの解消につながるほか、減税効果による実質賃金の増加なども期待でき、「年収103万円の壁」の見直しが注目を集めている。
帝国データバンクが実施した「年収103万円の壁」に関する企業アンケートによると、「賛成」は67.8%、「反対」は3.9%だった。
一方、「年収103万円の壁」自体を「撤廃すべき」は21.9%にのぼった。「賛成」「撤廃すべき」を合わせた89.9%の企業が「103万円の壁」について見直しを求めている。
企業からは「103万円の壁を意識するパートの方が多く、引き上げれば働き控えが解消される」(飲食店)「最低賃金の引き上げが加速するなか、制度の見直しは避けられない」(運輸・倉庫)「減税効果により消費活動が活発化する」(不動産)など、働き控えの解消に一定の効果を果たす、減税効果によって手取り収入が増えることに期待するといった声があがった。
引き上げには賛成ながらも、「社会保険料の106万円・130万円の壁もあるので、所得税のみの見直しでは働き控えはそれほど変わらない」(情報サービス)と、社会保険料も含めた制度見直しの必要性や、財源の確保に関する声もあった。
「撤廃すべき」と回答した企業からは「働いても税金を払うことが損になるとの世間の風潮を感じる。103万円の壁は制度が古く、撤廃し、働いたら金額にかかわらず応分の税を徴収する文化が最も公平」(情報サービス)と、複雑な現行の制度刷新や公平性を求める声もある。
調査概要
- 調査期間:2024年11月8日~12日
- 回答数:有効回答企業数は1691社(インターネット調査)
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