【コメのBtoB-EC仕入れ動向】「スーパーデリバリー」では景品、サービス提供、備蓄など需要多様化

ラクーンコマースが発表した、コメのジャンルの仕入れ価格動向レポートによると、非小売事業者からのコメの仕入れの引き合いが高まっていることがわかった。従前は取引がなかった業種からもニーズがあるという。レポートは、同社が運営する卸・仕入れ向けのBtoB-ECサイト「スーパーデリバリー」での、コメのジャンルの受注額の推移や購買データを基としている。
コメを注文する小売以外の会員は3倍増
「スーパーデリバリー」での米ジャンル商品の仕入れのピークは4月で、2024年から2025年にかけて購入店舗数は全体で2.5倍に増加したという(集計は2025年7月まで)。内訳をみると、飲食業の購入店舗数は3.3倍。飲食業以外でも2.2倍となっている。
ラクーンコマースは「コメの仕入れが伸びた背景には、2025年3月から始まった政府の備蓄米放出がある」と解説している。特に、第3回放出(2025年4月23日〜25日、合計10万トン)を契機にこれまでコメを扱わなかった業種からも注文の増加がみられたという。

半年で110トンのコメが流通
「スーパーデリバリー」では、コメのジャンルの2025年1月〜7月の合計販売量は約110トンだったという。2025年の上半期には、国産ブレンド米は一部商品で注文個数が前年比8.5倍、パック米は約4.5倍に増加。仕入れ価格が2019年比で約3.4倍に上がるなか、クレーンゲーム専門店、薬局、修理業者など従来コメを扱わなかった業種にまで広がっているという。顧客企業のなかには、パック米をクレーンゲームやガチャガチャの景品としている事例もある。

コメ仕入れの用途は多様化
飲食業を除く業種で米を仕入れている店舗を調査したところ、最も多かったのは「理容・美容業」で32.3%、続いて「医療業」が8.9%、「総合工事業」が6.5%だった。
ラクーンコマースは「コメのギフト需要や、健康志向の強い美容関連サロンで玄米などを物販する動きに加えて、景品・サービス提供・備蓄といった用途の多様化が進んでいる」と考察している。
