【「推し活」関連グッズの仕入れ動向】国内市場で最大約17.5倍、海外市場では約7.4倍に拡大
ラクーンホールディングスの100%子会社でBtoBマーケットプレイスの運営を手がけるラクーンコマースは、「推し活」関連商品の仕入れ動向をまとめた「推し活仕入れ調査レポート」を発表した。本調査は2024年1月~2025年4月における卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」での「推し活」関連商品の受注金額推移から、仕入れの傾向を分析している。
受注推移に見る国内・海外の市場傾向
国内メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」では、「推し活」関連グッズの流通額が国内・海外市場共に大幅伸長、関連商品を取り扱う出店企業の数も増加している。
国内市場の受注額は2024年12月以降から加速度的に成長し、2025年4月には2024年1月の17.5倍になった。

海外市場の受注額は2024年10月に、2024年1月の約6.9倍となりピークを迎えた。その後も高水準で推移し、2025年2月には2024年1月比で約7.4倍まで拡大した。

海外市場の受注額が伸びている背景には、台湾、香港、米国、韓国といった主要仕入れ国における継続的な需要がうかがえ、「OSHIKATSU」カルチャーが海外でも浸透していることがあげられるという。ラクーンコマースは「こうした海外市場の活況を踏まえ、商品を海外向けに展開する際には、商品名などにローマ字表記で『OSHIKATSU』といったキーワードを入れることも、商品発見性を高める上で有効な手段の1つ」と推測している。
「推し活」関連グッズの仕入れ動向とは
ファン心理をつかむメンバーカラー戦略
ファンの商品選択において、応援対象のメンバーカラーは極めて重要な要素だという。多くのファンは自身の好みよりも、公式に設定された色やイメージカラーを優先し、その色の商品を求める傾向が強い。ラクーンコマースは「幅広いカラーバリエーションをそろえること、時には絶妙な色味の違いにまで配慮することが不可欠」と解説している。
自分だけのグッズを作れるカスタマイズ需要
手芸材料、デコレーション用ステッカー、うちわ作成グッズといったカスタマイズ関連商品も「推し活」のグッズとして認知されているという。ラクーンコマースは「ファンが既製品の購入に留まらず、自分だけのオリジナルグッズを制作することで、より深い自己表現と推しへの愛着を追求していることを強く示している。また、これらの手作りアイテムはSNSを通じてファンコミュニティ内で共有され、新たな創造性を刺激し合う好循環を生み出している」と解説する。
調査の背景と目的
「スーパーデリバリー」は、日本国内版に加え、世界134か国への卸販売が可能な越境版も展開している。サイトではアパレルや雑貨を中心に、家具、生活家電、食品など、さまざまなジャンルの商品を約186万点掲載。
そのなかでも、アイドル、アニメキャラクター、俳優、スポーツ選手など、個人の熱烈な支持に支えられる「推し活」は、関連グッズ消費やイベント参加などを通じて、巨大な消費市場を形成している。こうした「推し活」関連商品の仕入れ動向を可視化することで、小売・事業者が市場の潮流を把握し、戦略に生かせるよう本調査を実施した。
調査概要
- 分析対象データ:卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」における「推し活」関連グッズの商品取引データ
- 基準と指標(受注金額推移指数):国内外それぞれの2024年1月の受注金額を100とした指数で受注推移を算出
- 分析対象期間(商品取引データ):2024年1月~2025年4月