AIと専門審査スタッフで不正対策を強化するKDDIグループのECモール「au PAY マーケット」、不正レビュー30万件削除、チャージバックリスク99%超削減
auコマース&ライフは、KDDIと共同で運営するECモール「au PAY マーケット」での生成AI活用による模倣品対策、不正レビューや不正決済への取り組みなど2025年上半期の取り組みをまとめた「安心・安全への取り組みレポート」を公開した。AIと専門審査スタッフを組み合わせた独自の監視体制で不正対策を強化している。

模倣品対策
ブランド模倣品によるユーザーの被害を未然に防ぐため、生成AIによる網羅的な自動検知と、専門審査チームによる最終チェックを組み合わせた新たな監視体制を構築。100万点を超える商品のなかからAIが模倣品の疑いがある商品を高速で抽出し、審査業務の生産性を700%向上させたという。 取り組み前と比較して検知から出品停止までの時間が10倍短縮、ユーザーの被害を未然に防ぐことにつながっている。また、ブランド権利者やメーカーとの連携を強化し、正規品に関する多角的な情報の共有を受けることで、審査精度を高めている。
不正レビュー対策
レビューの信頼性を守るため、監視システムを刷新。不正レビューの検知サイクルを短縮し、判定基準を厳格化した。その結果、2024年以降で累計30万件の不正レビューを検知・削除、さらに不正レビューの発生件数は前年比で約80%削減を実現した。レビュー投稿の前提となる「やらせ注文」の対策も進め、同約77%の削減に成功したという。
不正決済対策
不正決済を抑制するため、決済手段の審査対象を拡大した。これまでクレジットカードに限定していた監視対象を、他の決済手段にも拡大。AIと専門スタッフによる24時間365日のモニタリング体制で、不正利用による店舗の金銭的負担(チャージバック)のリスクを、年間で約99%以上削減した。
買い物体験の向上施策
ユーザーの買い物体験向上に向けて、EC運営が初めての店舗向けに一部機能を制限した「トライアル店舗」制度を導入。auコマース&ライフ側で出品商品に不具合や問題がないかを細かくモニタリングする。また、2024年から新規出店全店舗を対象に「アクティブサポート」を導入。専属スタッフが出品から受注対応までを伴走型で手厚くサポートしている。これにより、出店審査から運営サポートに至るまで、店舗品質を向上させるための体制を強化してる。
その他、365日体制でユーザーの声(VOC)やSNS投稿をモニタリングし、市場の動向や社会的な関心事をいち早く把握する体制も構築。問題が顕在化する前に、関係省庁とも緊密に連携し、対応方針を迅速に策定・実行する同時に、ユーザーや店舗へ向けて速やかに情報を発信している。
たとえば、政府備蓄米の販売では食料の安定供給に貢献。ゲーム機「Nintendo Switch 2」の販売においては転売対策を講じユーザーへの公正な販売機会を提供したという。