目指すはアマゾンからのシェア奪取! 世界最大級のラグジュアリーEC「ユークス」とは
ラグジュアリーECを手がけるユークスネッタポルテグループ(ユークス、Yooks Net-a-Porter Group SpA)は、ECサイトで取り扱うラインナップに、プライベートブランドのファッション、時計、ジュエリーを加えることで、売り上げが年間約20%アップすると予測しています。
ユークスは先日、2020年までの経営目標をロンドンで発表しました。今後は利益率の改善が見込めるため、2018年にはキャッシュフローがプラスに転じると説明。この発表により、株価は約6%上昇しました。
総合的に見て、ユークスネッタポルテグループは、予想よりもより利益率で収益目標を達成する見込みだ。
証券会社であるExane BNPパリバのアナリスト、サイモン・ボウラー氏はこう語っています。
ロンドンでの発表では、2015年のユークスとネッタポルテの合弁に関しても言及しました(ファッションECサイトの「ネッタポルテ(Net-A-Porter)」と「ユークス(YOOX)」が合併し、「YOOX NET-A-PORTER GROUP SpA」が誕生した)。
ユークスはアマゾンなど、他のECサイトからシェアを奪おうとしています(アマゾンはインターネットリテイラー社発行「北米 EC事業社トップ 500 2016年版」1位)。
ユークスの社長、フェデリコ・マーチェッティ氏は2016年3月、売り上げが10%台後半で上昇を続けるだろうと説明しました。2015年の売り上げは前年比21%増で、売上高は10億6700万ユーロを突破。ユークスの2015年のオンライン売り上げは5億5800万ドルで、「北米 EC事業社トップ 500 2016年版」で72位、「ヨーロッパ EC事業社トップ500 2016年版」で27位にランクインしています。
2015年10月にユークス(当時)と合併する前にネッタポルテの親会社だったリシュモン社は、2014年のオンライン売り上げは8億4440万ドルで、インターネットリテイラー社発行の「Luxury on the Web」で第2位にランクインしています。
ユークスの株価は先日、ミラノの株式市場で5.6%上昇、21.23ユーロまで上がりました。これにより、時価総額は28億ユーロ(31億ドル)に増えています。
ユークスはイギリスのEU離脱が決定した後も、ロンドンでの採用を拡大すると発表しています。コストと売り上げのバランスを適切に保っている為、ユーロに対するポンド安は、2016年以降も影響がないと見込んでいます。
また、2015年には8%だった売上高営業利益率が、2020年には11%~13%になると発表。プライベートブランドの拡大、合併によるコスト削減によって、利益率は大幅に上昇するとみられます。
ただ、今回発表した売り上げ予測に為替変動は考慮されていません。
「Internet RETAILER」のオリジナル記事