中国EC大手「JD」が自家栽培野菜のネット通販、三菱ケミカルとタッグで
中国の大手ECサイト「JDドットコム」を運営する京東集団は2018年春をめどに、水耕栽培システムで自家栽培した野菜のネット通販に乗り出す。三菱ケミカルが提供する水耕栽培システムを使って野菜を自社で栽培。中国では食品の安心安全に対するニーズが高まっていることから事業化した。
三菱ケミカルの水耕栽培システムは、育苗は人工光で行い、それ以降は太陽光を利用して野菜を生産する。無農薬で野菜を育てることができ、通年で収穫が可能。
三菱ケミカルホールディングスの広報・IR室によると、京東集団は自社のECサイトや配送のインフラを活用し、中国国内で野菜を販売するという。京東集団に納入する水耕栽培システムは2018年春ごろに稼働を開始する予定。
中国市場においては新鮮で味がよく、安心・安全な食材への関心が急速に高まっているほか、消費者の間で高付加価値の野菜に対する購入意欲が高まりつつあるという。
京東集団は野菜の自社生産から、コールドチェーンを使った配送までの一貫体制を採用。品質の低い商品の流通を防ぎ、「安心・安全・美味しい」というプレミアム野菜を中国の消費者に直接届けるようにする。
三菱ケミカルと京東集団は6月20日、水耕栽培システムの納入に関する調印式をに北京で行った。
京東集団は中国最大のBtoC通販企業で1998年の設立。光磁気ディスクの卸売販売からスタートし、2004年にネットオークションを始めた。デジタル製品を主力商品として、取扱商品を拡大。現在はさまざまな商品を取り扱う総合ECサイトに成長している。2016年の売上高は約4兆2000億円、流通総額は約15兆円。
2013年にネットスーパー「京東商超」をオープン。2012年10月には英語版サイトをオープンし、40か国向けに約40万品目の商品販売をスタートした。
2010年に直販型に加え、プラットフォーム型を導入。出店企業に対して在庫管理、配送、アフターサービス、代引き、返品・交換などのシステムを提供している。海外企業が出店できるECマーケットプレイス「JD Worldwide」も運営する。
JD社・生鮮事業部 王笑松総裁のコメント
植物工場システムの先進的な技術と豊富な経験を持つ三菱ケミカル株式会社と戦略的なパートナーとなることで、消費者に「安心・安全・美味しい」野菜を提供し、中国において優れた品質の野菜市場を創造していきたい。