中国EC大手「JD.com」が日本商品の調達強化・出店推進を担う「購買センター」を開設
中国のECサイト大手「京東商城(JD.com)」を運営する京東集団は、日本企業からの商品調達、JD.comの海外企業向け越境ECサイト「京東全球購(JD Worldwide)」への出店対応などを行う購買センターを開設した。
JD.comの日本法人であるJD.com京東日本に購買センターを置き、日本円での決済など日本企業の商習慣にあわせた契約などを提供。日本企業との円滑な業務スキームを構築し、中国人ユーザーから支持が高い日本商品の取扱商品の拡大をめざす。
購買センター開設で何が変わる?
これまで、商品調達や出店手続きは中国・北京に拠点を置くJD.comの本社が対応していた。そのため、代理店の仲介が入るなど「(日本企業との)コミュニケーションが密にできなかった」(JD.com)。また、中国人民元での取引による為替リスク、言語といった障壁もあったという。
購買センターは、東京と北京の連携を密に行うことによりスムーズな交渉と効率の良いオペレーションを実現、日本企業が中国EC市場により参入しやすくするための専門チーム。日本企業へのサービス提供および中国市場への出店サポートを強化していく。
購買センターの特徴は次の通り。
- 購買システム、決済システムは日本語に対応
- 日本円での商取引
- JD.com京東日本が契約・調達などを行うためコミュニケーションの円滑化が期待できる
- JD.comは国際物流ソリューションを提供し、免税手続きなど越境輸出に関する煩雑な手続きをJD側がサポート
- 日本からの「直送モデル」、中国での「保税区モデル」など、さまざまなクライアントニーズに対応
- 大手ブランドに限らず、中国における知名度が低い地方特産品も含め知られざるブランドを発掘していく
なお、JD.comの仕入れ・出店開拓は、従来の中国本社主導による調達も展開。本社、日本法人の2社体制で、商品調達、出店強化を進める。
JD.com京東日本の最高責任者・荒井伸二氏は9月3日に開いたセミナーで、次のように話した。
(「JD Worldwide」の売れ筋である)ベビー用品、コスメなどを深掘りする一方で、全分野、カテゴリ全部で取扱商品を増やしていく。
現在の中国人は、生態系や地球環境に優しい商品に価値を見出す方、付加価値の高い商品を好む方が増えている。京東日本は企業様に協力し、一緒に中国のマーケットを切り開いていきたい。また、京東としても効率をあげ、コスト削減もしていきたいと考えている。
購買センターへの問い合わせは、JD.com京東日本のホームページの「ビジネスに関するお問い合わせ」から。 → https://jdjapan.com/