青山商事、今度はAIで来店客の心理を推定し商品を提案

富士通グループが開発した人工知能を活用し、来店客の視線をセンサーで検知、人工知能が興味・関心を推定して商品提案や接客に生かす実証実験を行う

渡部 和章

2018年3月8日 9:00

紳士服販売チェーン「洋服の青山」を展開する青山商事は、来店客の視線をセンサーで検知し、視線の動きから人工知能(AI)が顧客の興味・関心を推定して商品提案や接客に生かす新たな取り組みに着手する。

こうした取り組みの実証実験を4月6日から4月27日まで、「洋服の青山 福山本店(広島県)」と「洋服の青山 池袋東口総本店(東京都)」で行う。

実証実験では、顧客の視線を検知するセンサーをマネキンコーナーに設置。来店客の視線の動きに応じて、顧客が興味を持った商品や、迷っている商品をAIが推定する。

顧客が関心を持った関連商品の情報を、マネキンの横に設置されたスクリーンに表示。さらに、関連商品の情報をリアルタイムに店員のモバイル端末へ通知する。

富士通のAI技術を青山商事の店舗接客で活用

AIを店舗接客に活用する取り組みのイメージ

青山商事が実証実験に使う技術は富士通グループが開発した。富士通はAIに関する知見や技術を「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」として体系化し、提供している。

富士通は、将来的には来店客の心理分析結果と店員による接客履歴を蓄積することで、「商品の展示効果の定量的な検証」「来店客の潜在ニーズの可視化」「接客ノウハウの共有」などが期待できるとしている。

青山商事はICTを活用し新しいショッピングの形を提案している。実店舗とオンラインショップが融合した次世代型店舗「デジタル・ラボ」を3店舗展開。「デジタル・ラボ」の来店客は店内で試着した後、店内に設置された大型デジタルサイネージやiPadを使いオンラインショップで商品を購入する。オンラインショップの在庫は全国の店舗在庫と連動している。

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