調理機器のECサイトでカード情報7.7万件が漏えいした可能性、原因は不正アクセス
調理機器の開発・販売を手がけるアサヒ軽金属工業は8月2日、ECサイトから顧客のクレジットカード情報が最大7万7198件が漏えいした可能性があると発表した。
情報漏えいの対象は、2017年1月14日~2018年5月25日の間にECサイトでクレジットカード決済を利用した顧客情報。クレジットカードの名義人名、カード番号、有効期限が流出した可能性がある。
なお、一部の顧客のクレジットカード情報が不正利用された可能性もあるという。
原因は、ECサイトのシステムの一部の脆弱(ぜいじゃく)性を突かれた第三者の不正アクセス。
2018年6月6日、一部のカード会社から情報漏えいの懸念があると連絡を受けた。6月8日に被害拡大を防止するためクレジットカード決済を停止。第三者調査機関「Payment Card Forensics株式会社」による調査を行い、調査は7月12日に完了した。
現在、カード会社と連携し、流出した可能性のあるクレジットカードによる取引のモニタリングを継続実施し、不正利用の防止に努めているという。
今後、調査結果を踏まえてシステムのセキュリティ対策・監視体制の強化を行うなどの再発防止策を実施。ECサイトの再開日については、決定次第、お知らせするとしている。
EC業界におけるセキュリティ対策について
経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。
カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。
2018年6月1日に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律(改正割賦販売法)」では、クレジットカードを取り扱うEC事業者などに対して、「クレジットカード情報の適切な管理」と「不正使用防止対策の実施」が義務付けられている。
また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。