不正アクセス受けたECサイトでカード情報が2415件漏えい、セキュリティコードも流出

システムの一部の脆弱(ぜいじゃく)性を悪意の団者が突いた不正アクセスが原因と見られる

瀧川 正実

2019年5月16日 7:00

黒豆などを販売する小田垣商店のECサイト「小田垣商店オンラインショップ」が不正アクセスを受け、セキュリティコードを含むカード情報2415件が流出したことが5月15日までにわかった。流出した一部のクレジットカード情報が不正利用された可能性があるという。

「小田垣商店オンラインショップ」のシステムの一部の脆弱(ぜいじゃく)性を悪意の団者が突いた不正アクセスが原因と見られる。

2018年4月3日~2018年5月16日、2018年9月3日~2019年2月28日の期間に、「小田垣商店オンラインショップ」でクレジットカード決済を行った消費者が対象。

カード会員名、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードが漏えい。該当する2415人の顧客に、メールおよび郵送による書面で個別に報告したという。

クレジットカード決済代行会社から2019年3月5日に不正アクセスに関する連絡があり、翌日に不正アクセスの有無、全容解明、被害状況の把握に向け外部の専門調査会社(PaymentCardForensics株式会社)に調査を依頼。3月22日に専門調査会社から調査結果を受領した。

小田垣商店は調査結果を踏まえてシステムのセキュリティ対策および監視体制を強化。再発防止を図るという。ECサイトは現在停止しており、再開は決定次第、発表する予定。

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

2018年6月1日に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律(改正割賦販売法)」では、クレジットカードを取り扱うEC事業者などに対して、「クレジットカード情報の適切な管理」と「不正使用防止対策の実施」が義務付けられている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

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