ピーチ・ジョンが定期発行のカタログ通販を中止、ECや直営ストアをメインへ
下着通販のピーチ・ジョンは8月26日、通販カタログ「PEACH JOHN」と「SALON by PEACH JOHN」の発行を、2019年8月28日をもって休刊すると発表した。今後はECサイトやアプリ、直営ストア、SNSを中心に販売する。
通販カタログ「PEACH JOHN」は1988年創刊。8月28日発行の「vol.110 2019年秋号」が、定期発行の最終号となる。
「SALON by PEACH JOHN」は、「PEACH JOHN」のユーザーよりも年齢層が高い消費者をターゲットにした通販カタログ。ピーチジョンは顧客や会員向けに、2誌を無料で配布している。
通販カタログを休刊する理由について、リリースで次のように説明している。
1988年に創刊したカタログ「PEACH JOHN」は、「元気・ハッピィ・セクシー」をテーマにランジェリーやファッションをはじめとする商品や情報を提供し、数多くのお客様にご愛読いただいておりましたが、今後は時代にあわせた多様な方法で、ECサイト・アプリ、直営ストア、SNSをメインにお客さまとのよりよいコミュニケーションを提供していきたいと考え、この秋号をもって定期発行通販カタログという形式はひとまずの役目を終え、休刊いたします。
2.2億円の営業赤字、親会社のワコールは「のれん」など58億円減損計上
ピーチ・ジョンの2019年3月期における売上高は、前期比2.8%減の104億9100万円。通販事業と店舗事業を中心に、他社ECサイトを通じた販売や、海外への輸出も手がけている。
通販事業の売上高の増収率を四半期ごとに見ると、第1四半期は前年同期比99%、第2四半期は同105%、第3四半期は同94%、第4四半期は同80%。通期では前期比94%。
店舗事業の売上高は11か月連続で前年同月を下回り、通期では前期比94%。
ピーチ・ジョンの営業損益は2億2000万円の赤字。
親会社のワコールホールディングスは、ピーチ・ジョンの、のれんや商標権の価値を再評価し、2019年3月期に56億4000万円の減損損失を計上している。
ワコールホールディングスによると、2008年にピーチ・ジョンを完全子会社化して以降、計画した業績拡大を実現できず、過去数回にわたり無形固定資産の減損損失を計上。ブランドイメージの転換や商品開発力の強化を図るとともに、店舗やEC、海外事業などを強化してきたが、収益が回復しなかったとしている。