CtoCの物販EC市場規模は約1.2兆円(2019年)、フリマアプリがけん引【矢野経済研究所の調査】
市場調査やマーケティングリサーチを手がける矢野経済研究所は11月25日、2018~2019年における国内CtoC(個人間取引)市場を調査し、2019年のCtoC市場は前年比17.4%増の1兆1800億円規模になるとの予想を発表した。
個人が自身の所有物の売買、およびスキル・サービスなどの依頼・提供といった取引を直接行う個人間取引(CtoC)は、フリマアプリなど各種CtoCサービスの普及による取引の利便性向上や認知度の高まりから、物販・サービスの両分野とも市場の拡大が続いている。
国内CtoC市場は、2018年も市場規模の拡大トレンドは変わらず、物販分野の最大手「メルカリ」の2019年6月期連結業績における流通総額は、前期比43.2%増の5307億円となり、引き続き2桁増を記録。
物販分野であればほとんどの商品分野で「メルカリ」「ラクマ」「ヤフオク!」の3サービス、民泊であれば「Airbnb」、スペースシェアであれば「スペースマーケット」といった分野ごとに、独占的なプラットフォームが2~3種ほどに存在するなど、CtoC市場の寡占化が進んでいるという。
今後の物販・サービス分野CtoC市場については、展開している企業側の見解として、若年者層ユーザーのCtoC市場参入は、ある程度進んだと考えており、伸びは鈍化に向かうと考えられる。それに伴い、今後の有力企業のターゲットは、現在サービスを利用していない、また人口の多い中高齢者層をターゲットとして市場の拡大を図る方針を打ち出している企業も増えている。
今回の調査は、CtoC(個人間取引)市場は個人間で所有物の売買や、サービスの依頼などをインターネット上(アプリ・サイト)で行うサービスの市場を指す。調査対象は、インターネット上(アプリ・サイト)で展開されているCtoCサービスのみとし、バザーやフリーマーケットのようなリアルでの売買や、金券取引などの金融サービス(クラウドファンディングは除く)は対象外。
なお、経済産業省が発表した「2018年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」では、フリマアプリの市場規模は、6392億円(前年4比32.2%増)だった。