サブスクリプションサービスは5627億円市場(2018年度)、消費の変化で今後も拡大の見通し
矢野経済研究所がこのほど公表した、サブスクリプションサービスの市場動向調査によると、2018年度の国内市場規模は5627億3600万円だった。今後5年間、市場規模は年率約5~15%で成長を続け、2023年には8623億5000万円に拡大すると予測している。
サブスクリプションサービスが普及した背景として、「ECサイトが流通チャネルの1つとして成長するなか、顧客(ユーザー)の購入履歴が利活用されるようになったことがある」と指摘。
「ECサイト利用時のレコメンド(推奨)機能など、顧客情報や購入履歴などを利用することで、顧客の潜在需要を顕在化させ、定期購入などの消費を促すといった施策を提供する事業者が増えたことがサービス普及の一因」と分析している。
消費行動の変化でシェアリングサービスが普及する中で、定額で商品やサービスを利用できるサブスクリプションサービスへの需要が高まっているという。
サブスクリプションサービス市場の展望について、矢野経済研究所は次のようにまとめている。
国内は少子高齢化の進展などから、多くの市場において成長率が鈍化してきており、当該市場分野においては新規需要や販路の開拓が課題となっている。なかでもサブスクリプションサービスを先行していたアパレル分野は所有からサービス利用へといった消費者動向を踏まえ、主要企業においてはこうした需要の開拓に成功している。また、自社製品やサービスをサブスクリプションサービスに活用しようとする企業の追随する動きもみられる。こうした動きはアパレル分野以外でも想定されることから、今後もサブスクリプションサービス市場は好調に推移するものと考える。
本調査におけるサブスクリプションサービスとは、「既存のサービスで一般的に提供されてきた期間、回数、種類を超えて利用可能とし、かつ継続利用を前提とした定額制のサービス」を指す。
調査対象の商品・サービスは①ファッション系定期宅配②ファッションサービス(①を除く)③食品系定期宅配④飲食サービス⑤生活関連⑥住居(シェアハウスやマンスリー系賃貸住宅は対象外)⑦教育(通信教育は対象外)⑧娯楽(月額定額で利用できる音楽と映像サービス)の8分野。市場規模はエンドユーザー(消費者)の支払額ベースで算出している。
- 調査資料名:2019サブスクリプション(定額)サービスの実態と展望
- 調査期間:2018年12月~2019年3月
- 調査対象:サブスクリプション(定額)サービス事業者、関連システム事業者など
- 調査方法:矢野経済研究所専門研究員による直接面談取材、アンケートならびに文献調査併用