ビックカメラが物流現場にパワースーツを導入、商品持ち上げなど業務負担の低減が目的
ドイツのパワースーツ開発メーカーGerman Bionicの日本法人であるGBSは12月17日、German Bionicがビックカメラとともに、商品の持ち上げ・取り扱い時に従業員の業務負担を低減する実証実験を開始したと発表した。
ビックカメラやグループ企業の店頭・EC商材を取り扱う物流拠点(埼玉・東松山市および千葉・船橋市)にインテリジェント・パワースーツを導入、物流現場での効果検証を進める。
実験では身体的に負担の大きい現場の仕事に対し、より安全で作業者の健康を守ることをめざす。作業現場でのパワースーツ「Cray X」の着用テストでは、重量物の持ち上げに伴う複数の場面で、作業者の反応を確認する。ビックカメラはこの取り組みを通して、荷物を持ち上げる作業現場での負担軽減を見込む。
「Cray X」は人の知性と機械のパワーを組み合わせることで、装着者の動きをサポート、強化する人間-機械システム。第3世代の「German Bionic Cray X」は、重量物の持ち上げ、運搬時に作業者を支援するとともに、装着者の姿勢を正しく保ち、持ち上げ技術を最適化する。これにより、筋骨格システムへのダメージを低減し、従業員は作業現場内外で長期的な健康面での便益が期待できる。
一般的な機械式のエクソスケルトン製品とは対照的に、「Cray X」のようなアクティブ・エクソスケルトンは電子モーターによって駆動するという。これにより、持ち上げ時に費やす従業員の総負担量を大きく軽減し、腰部を痛めることを低減させる。
ビックカメラとGerman Bionicのコラボレーションは、2019年ビックカメラ・アクセラレーター・プログラムをきっかけに開始。両社で複数回にわたる着用テストを物流拠点で実施。
「Cray X」が複数の作業環境において、作業プロセスでの適用と、作業者の負担を軽減することを確認した。両者によるコラボレーションは継続しており、将来的には家電などの取り扱いに特化したニーズに対応すべく議論を重ねていく。