「Shopify Plus」といえども万能じゃない。土屋鞄製造所がうまくいったのは「使いこなせた」から【ネッ担まとめ】
「Shopify Plus」を使いこなすには社内調整も重要です。ECサイトはユーザーが使うものなので、事業者側の都合を盛り込んだだけでは上手くいきません。
大規模ECサイトの構築は社内調整が肝
土屋鞄製造所が成し得た【Shopify Plus】によるEC運営 事業を大きく前進させるために必要な視点|ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/29716/
BASEは使い勝手を良くしてユーザーを増やす方針
BASE株主総会に行って継続投資に値するか?ショップ運営者目線で考えてみた。in2021 | ベランダゴーヤ研究所
https://make-from-scratch.com/base-kabunushisoukai-2021/
まとめると、
- BASEで月間2万円しか売り上げがなくても上位1.1%に入れるので、売り上げが立っている店舗はかなり少数であることが推測できる
- BASEは月商数千万~億単位のEC事業者よりも、中小企業・個人をエンパワーメントすることに重きをおいている。しかし、1店舗あたりの売り上げを増やすことよりも、さらに使いやすいプロダクトを開発することを優先している
- 一度慣れてしまえば、他のシステムを検討するのは心理的に敷居が高いため、「お手軽にECするならBASEが一番」と認知してもらい、アカウントをどんどん開設してもらう戦略は理にかなっている。
お手軽にECサイトを始めることができるBASE。モールのように細かいルールもないですし、ASPのカートよりも使い方が簡単です。ECの世界に入るにはまずBASEというイメージを作っていくのは良いですよね。そのため売上が立っていない店があるのは仕方ないと思っていましたが、月商2万で上位1%に入ってしまうのは驚きです。今後も利用者を増やしていく方針のようなので、どこまで増えていくか注目しましょう。
売れない理由をデータから解決した事例
発売わずか3ヶ月で30万本の大ヒットを生んだsopoはデータから生まれたという話 | Chiba Hisayoshi | note
https://note.com/tivashsuper/n/nc0cc6c6f06bc
まとめると、
- コンビニでコスメが売れないのは「欲しい物がない」というシンプルな理由だった。欲しい物がない→場として認知されない→売れない→売れない場だから商品が充実しない……という負のフィードバックに陥っていた
- ファミマ限定のコスメブランド「söpö(ソポ)」は目元に絞って商品を企画。マスク生活でメイクアップ全体の需要が落ちる中、目元の商品の需要が落ちていなかったため
- 化粧品のEC化率は非常に低く30%程度までいけば良いところ。全国に17,000店舗あるファミリーマートはオフライン接点として非常に魅力的
一瞬で理解させるという意味において統一されたコピーも重要です。「ひとくちだけ、試してみたい、色がある」はコピーライターの小藥元さんにご協力いただいてつくりました。おかしやちょっとした食べ物のイメージがあるコンビニという場所とsöpöのこだわりであるジャストサイズ、トレンドのかわいらしさを表現しています。
まさにデータから生まれて育っていったという事例です。「売れない理由は何か?」「売れる分野はどこか?」「売れる商品は何か?」「売るにはどうするのか?」などなど、マーケティングの書籍に書かれているようなことを確実に進めています。理屈だけではわかりづらいものも、こうして数字と事例があるととってもわかりやすいですね。
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EC全般
お店やブランドをファンにアピールしやすくなりました。ECサイトとnoteをつなげましょう! | note公式
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Shopifyの購入ボタンの使い方 WordPressを使いながらShopifyの決済システムを使おう | Shopify
https://www.shopify.jp/blog/setup-buy-button
ECサイトにコンテンツではなくてコンテンツにEC。SEOをやっている人たちもECに入ってくるということ。
アダストリアのEC売上は23%増の538億円、EC化率は30.6%。自社EC売上の半数はスタッフのスタイリング投稿経由【2021年2月期】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8598
ショップスタッフによる「STAFF BOARD」経由の売上高は自社EC売上高の約半分。接客が重要なのはネットも同じ。
しまむらのEC売上高は約17億円。店舗受け取りが約9割のワケと今後の戦略 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8605
低価格商品で店頭受け取りが送料無料となればこうなりますよね。
物流業界のDXに求められるのは「競争」と「協業」 TSUNAGUTEが見たコロナ禍の変化と実情を語る | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8984
デジタル化とデータ化でどこまで効率化できるかがポイント。
ネット通販好調で物流施設用地の地価上昇 こうした動きを背景に | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/06/news058.html
上記に関連して。こうした背景があるとさらに効率化のニーズが高まりますね。
SEOは攻略するものではない。SEOの具体的なアイデアがあふれてくる3つの本質的思考 | 松尾茂起(ウェブライダー) | note
https://note.com/shigepiano/n/nd65571220b69
ユーザーは何かしらの解決策を求めているのがポイント。
2021年に更新される Google Merchant Center 商品データ仕様の変更点とそのポイント | SEM Insight
https://sem-insight.com/2021/04/08/849/
Google対応と考えるときついです。データを整備すると思えば投資になりますね。
今週の名言
急激に業績を伸ばそうとするから、目標を賞罰にすり替えて、達成できない個人を罰し、個人の責任を追及するようになるんです。でも、少しずつ成長していこうと思ったら、賞罰にする必要なんてないんです。
─サンコーインダストリー 代表取締役社長 奥山淑英氏
「会社の机で死にたい」90歳最高齢の総務部員が、毎日最後に退社する理由 採用でスペックを重視しない会社 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/44715
社員の成長にフォーカスしたら、賞罰ということは考えなくなりますよね。
筆者出版情報
「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法
森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税
この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!
まとめると、
Shopifyなら大規模なECサイトもあっという間にできて、機能追加も簡単……というイメージがありますが、実際はそうではなく、事業者側が素早く動けるかどうかに依存するようです。社内の要望をベンダーに投げるのではなくちゃんと調整しておけば、ベンダー側もスムーズに動けますし、開発不要のアプリを使えるShopifyのメリットも活かせます。ECサイトは会社同士の総力戦になってきていますので、実店舗に対するネット店のような考え方では行き詰ることは目に見えています。