ファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは4月から、全社共通のAI活用指標「All ZOZO AI Readiness Score(AZARS)」を導入した。職種を問わない統一基準を設けることで、AI活用の可視化と高度化を進め、組織全体の価値創出につなげる。
「AZARS」は、生成AIを含むAI活用状況を「個人AI活用レベル」と「組織AI活用レベル」の2軸で評価する指標。業務上期待される能力や状態をそれぞれ4段階で定義し、主観に依存しがちなAI活用度を定量的に把握できるようにした。
特長は、エンジニアなどの開発職に限らず、事業部門やコーポレート部門を含む全職種共通の指標として設計している点。職種横断でAI活用の底上げと標準化を図る狙いがある。
「個人AI活用レベル」は、個人がAIをどの程度業務に組み込めるかという「力量」を示す指標。自己認識や振り返りを通じて、継続的な成長を支援することを目的としている。
「組織AI活用レベル」は、組織がAIをどの程度業務に組み込んでいるかという「状態」を示す指標。レベルの判定は、「誰がどれだけ使えるか」といった個人のスキルではなく、AIを前提とした業務プロセスや意思決定が組織の仕組みとして機能しているかどうかに基づく。
ZOZOはこれまで、全社員参加型の生成AI研修や、業務効率化ツールの開発・社内提供を推進してきた。2025年7月には開発AIエージェントを全エンジニアに導入し、同年8月には「ChatGPT Enterprise」を全社展開。こうした取り組みの結果、2026年3月時点で社内アンケートにおける「週1回以上の生成AI活用率」は97%に達したという。
AI活用の本質は、単なる効率化にとどまらず、事業そのもののあり方を変革する点にある。AI活用を組織的な競争力へと転換していく必要がある。「AZARS」は、その実現に向けた基盤となる指標。AI活用の状態を可視化し、当社らしく全社で共通の基準を持つことで、継続的な進化と価値創出を支えていく。(ZOZO 執行役員 兼 CTO 瀬尾 直利氏)

