森野 誠之[執筆] 2022/10/12 8:00

ネットショップの売り上げを伸ばすために重要なことは、手法や仕組みではなくて「人」。社内に詳しい担当者、信頼できる外部パートナー、先が見えている上司の存在がカギになります。特に外部パートナーとの信頼関係は一朝一夕では築けないので、早めに着手しましょう。

明確な目的とデータに基づく判断がリニューアル成功の要因

かばんのエースが楽天市場店をリニューアル!今だからこそ重視した3つのポイントとは | ECzine
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これからもECを伸ばすため社内担当者育成とパートナーとの関係構築を エース楽天店リニューアル鼎談 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11816

リニューアルを依頼するパートナー様を探す際に、売上アップのためのメンテナンスがやりやすいようにリニューアルする

楽天名物店長と呼ばれる皆様のお取り組みを学び、実践もしているのですが、やはり頻繁なメンテナンスが必須となる。頻繁にメンテナンスを行うという視点では「枠」となるサイト自体が良くない状態にあった。

楽天店舗のリニューアル事例です。楽天店舗のリニューアルをする場合、見栄えを整える目的が多くなりますが、この事例ではメンテナンス性を上げるために行っています。売り上げを伸ばすには「見た目ではなく頻繁な更新が重要」とわかっていたからこそ。売れている店舗の取り組みを研究した結果です。きちんと見て考えれば打つべき手が見てくるということでしょうか。

データをもとに流入の多いカテゴリを目立つ場所に配置し、そうでないものは目立つ場所から外して整理していきました。

おもしろかったのは、実は女性のお客様の割合が多かったこと。にもかかわらず、リニューアル以前は男性向けに作られたページが多かったのです。まずはそれを対策しよう

見せ方に関してもきっちりとデータを見てから判断しています。なんとなくデータを見て「売れるヒントはないのか?」と考えるのではなく、見られている商品やユーザー像を確認しようという目的がありました。見た目に関しては主観が衝突してしまい収拾がつかないことが多いですが、こうして数字から積み上げていくと上手く進んでいきます。

それぞれのサービスの経済圏にしかいないお客様もいらっしゃいます。卸先様のサイトもあり、最終的には場所はどこであってもエースの商品を買っていただければ良いとの考えです。

ここは多店舗展開で重要なポイントです。「売れる・売れない」「手間がかかる・かからない」で考えるのではなく、その商圏の売り上げを確保することを考えるということです。「額が少ないからやめる」という考え方もありますが、その売り上げは他社に取られてしまいます。長い目で見た時にどちらが得なのかはすぐにわかるはず。

外からウェブに詳しい人を採用するより、杉山さんのように社内の商品に詳しい方が、ECを勉強してEC担当になるほうが売れると思います。そして、EC担当者となられた杉山さんが、情報を得るために外に出ていくという順番がおすすめです。

これもその通り。ECに限らず、Web担当者はパソコンなどに詳しい人ではなく、社内のことに詳しい人。どのタイミングで何が売れるかは1年経ってなんとなくわかる程度。HTMLなどの知識は1年あれば身につきます。

今回のリニューアルは唐突に思いついたものではありません。EC事業を伸ばすという考えのなかで生まれてきたものです。つまり、今のことだけではなく、数年後を考えて動かないといけないということ。皆さんの会社には中長期でEC事業を考えている人がいるでしょうか? いなければ早めに担当を決めたいところです。結果が出るのはその数年後ですから。

関連記事:多すぎるモールイベントの対応コストが「1/2~1/3」に!少ない手間で成果が出る方法 | コマースデザイン
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今週の要チェック記事

全商品がアマゾンより安い…北海道民がこぞって使う宅配サービス「トドック」がそれでも成り立つワケ | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/61854

北海道はセイコーマートなど個性的な企業が多いです。大企業への対応の参考にしましょう。

Shopify Japan、日本郵便と協力し、より効率的な配送サービスの提供を開始 | コマースピック|note
https://www.commercepick.com/archives/24063

配送は2024年問題を抱えています。解決する取り組みは増えてきそうです。

楽天、環境に配慮した商品の購入などに対し「楽天ポイント」の進呈、クーポンの発行を開始 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10204

楽天、2023年までにカーボンニュートラルの達成をめざすと発表 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10205

「楽天オプティミズム2022」の発表内容です。世界はESG投資の流れなのでここに注力するのは当然。

お取り寄せは自宅でぜいたく&ファンを巻き込むPR成功の商品が台頭。「ベストお取り寄せ大賞」から見る2022年の傾向 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10208

ちょっとした贅沢はお取り寄せ。この流れは2023年も続きそう。

デジタルマーケターは「同梱物」を軽視し過ぎる! D2C(ネット通販)のF2転換率とLTVを劇的にアップさせる5つの同梱物とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10169

通販はモノが動くので、リアルのことを知っておく必要があります。

SEOの施策を推進したら検索広告のパフォーマンスにも良い影響が確認できた話 | JADE
https://blog.ja.dev/entry/blog/2022/10/05/how-seo-actions-affected-ads-performance

ウェブマーケティングだけでも視野を広げてみると結果が出ます。手法だけ見てしまっていませんか?

今週の名言

視覚に障害のあるお客様との出会い | SHAKUNONE(しゃくのね)
https://shakumoto.co.jp/column/a30/3399/

『諦めなかった人だけが夢を叶える』と声にだして、もう1日だけ続けてみるようにしています

辛いことがあっても「1日だけ続けよう」と思えば何とか頑張れます。その1日が積み重ねっていけばどこかで結果が出ます。もう1日だけ頑張ってみませんか?

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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