高野 真維 2023/4/10 8:00

「楽天市場」が出店店舗から選出する月間MVP「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス(SOM)」をこれまで6度受賞したベビー&マタニティブランド「kerätä(ケラッタ)」。楽天ショップの「kerätä」では、顧客からの反響を生かした新製品企画、既存製品の継続した改良が事業拡大につながっているという。2022年12月度の売上高は前年同月比で約2倍。「kerätä」の店舗運営について、高田瑶子氏(商品部部長)と濱未希子氏(商品部 Design Manager)に話を聞いた。

MOON-X傘下企業の「kerätä」とは?

長野県塩尻市に本社を置くケラッタは、ベビー・マタニティ用品の製造から、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」でのネット通販を手がける。元Facebook Japan 代表取締役の長谷川氏が創業したMOON-Xによる共創型M&Aで、2022年8月にMOON-X傘下へ入った。現在、ケラッタの「信頼のものづくり」をベースに、MOON-Xの知見やノウハウを生かしたネットショップの経営にアクセルを踏んでいる。

「ショップ・オブ・ザ・マンス(SOM)」は、顧客からの店舗評価などから「楽天市場」が月間の優良店舗を選出するアワード。「kerätä」は、

  • 2019年1月:「楽天SHOP OF THE MONTH」 ベビー・マタニティジャンル賞
  • 2019年7月:「楽天SHOP OF THE MONTH」 ベビー・マタニティジャンル賞
  • 2021年 5月:「楽天SHOP OF THE MONTH」 ベビー・マタニティジャンル賞
  • 2021年12月:「楽天SHOP OF THE MONTH」長野都道府県賞
  • 2022年6月:「楽天SHOP OF THE MONTH」長野都道府県賞
  • 2022年12月:「楽天SHOP OF THE MONTH」 ベビー・マタニティジャンル賞

といったアワードを受賞している。

「kerätä」楽天市場店トップページ
「kerätä」楽天市場店トップページ

2022年12月度の売上高は、前年同月比で「約2倍近くの売り上げになった」(濱氏)という。

商品部 Design Manager 濱 未希子氏(左)とkerätä 商品部部長 高田瑶子氏(右)
kerätä 商品部 Design Manager 濱 未希子氏(左)とkerätä 商品部部長 高田瑶子氏(右)

顧客の声を生かした製品作り

「kerätä」が成長している要因の1つには、レビューや口コミといった顧客の声を反映した製品企画、既存製品の改善があげられる。以下に一例を紹介していく。

「kerätä」では、顧客が日常使いする製品を主軸に展開している。その一方、「プレゼント向けのギフトもラインアップしてほしい」という顧客の声に応えるため、2022年12月に子供向けトランポリンのクリスマス限定パッケージをラインアップ。引き合いが増加した。

「kerätä」が販売する子供用のトランポリン
「kerätä」が販売する子供用のトランポリン
子供用のトランポリンはプレゼント用やお祝い返しとしても引き合いが高いという
子供用のトランポリンはプレゼント用やお祝い返しとしても引き合いが高いという

また、「kerätä」ブランドの柱の1つとなっている製品は赤ちゃん用寝具「ibul(イブル)スリーパー」だ。

ベビー用品は、レビューが自然に集まりやすいと感じています。ありがたいことに、“良い製品はほかのママにも教えたい”という思いがあるのかもしれませんね。製品について、気が付いたことも細かく書いてくださるケースが多いです。ご自分の大切なお子さんに使うからこそ、お客さま自身が使うものよりも製品購入に真剣な方も多いのではないでしょうか。

レビューはお客さま相談室の担当者だけではなく、さまざまな担当セクションで目を通し、活用しています。

たとえば冬用の「ibul(イブル)スリーパー」は、外側はモコモコの手触りで、子供の肌に触れる内側の生地はガーゼにしています。“両面がモコモコのフリース素材だと、あせもになりやすいので困る”といったお客さまからのレビューをくみ取って製品開発に生かしました。(高田氏)

濱氏(左)が手に持つ製品:韓国寝具「イブル」をモチーフにデザインした赤ちゃん用寝具「ibul(イブル)スリーパー」(6重ガーゼ/チェリー刺繍)。高田氏が手に持つ製品:3月に新発売したヒップシートの新製品「ダイヤルフィット®️」
濱氏(左)が手に持つ製品:韓国寝具「イブル」をモチーフにデザインした赤ちゃん用寝具「ibul(イブル)スリーパー」(6重ガーゼ/チェリー刺繍)。高田氏が手に持つ製品:3月に新発売したヒップシートの新製品「ダイヤルフィット®️」

運営ポリシーは“顧客に寄り添って悩みを解決する”

製品企画だけでなく、既存製品や運用の改善も顧客ファーストを実現している。

たとえば、梱包について顧客から改善の問い合わせがあった時のこと。問い合わせがあった製品は、幼児用の昼寝布団。アイロンを使って張り付けることができるネームタグを同梱している。

当初、このネームタグを折り畳んで梱包していたところ、お客さま相談室に「梱包時の折り目がもとに戻りにくい」という顧客からの電話があったという。「kerätä」はその日のうちに折り目をつけない(ネームタグを折り畳まない)梱包に変更した。

幼児用の昼寝布団
幼児用の昼寝布団

製品開発も、サイト作りも、常にお客さまに寄り添って悩みを解決するのが「kerätä」流です。“布団収納袋のファスナーの形状について知りたい”というお問い合わせをお客さまからいただいたときは、その日のうちにファスナーのかみ合わせ部分がわかる画像を商品ページに追加しました。(濱氏)

ファスナー部分がわかりやすい画像を加えた
ファスナー部分がわかりやすい画像を加えた

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」受賞をめざして

SOMの受賞を重ねてきた「kerätä」が次にめざすのは、「楽天市場」が選出する年間のベストショップ「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」の受賞だ。

MOON-Xの傘下に入ったことを皮切りに、従来よりもショップの集客や認知拡大に尽力するようになった。「楽天市場」内での広告やキャンペーン施策にも力を入れている。また、子供の成長に合わせた他の製品を紹介するリーフレットを同梱するといった工夫や、公式SNSの運用も本格化している。

今後は、お客さまにとって魅力的な製品のラインアップ拡大や、リピーターのお客さまの増加にも注力していきます。(高田氏)

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