森野 誠之[執筆] 2023/5/9 8:00

農水省が「EAT! MEET! JAPAN」という名前の越境EC支援プロジェクトを開始しました。商品開発からテスト販売、規制面など幅広い支援がなされるようです。

本気で越境ECに取り組む人はご検討を

EAT! MEET! JAPAN | 農林水産省
https://www.eatmeetjapan.jp/ec

農林水産省は、訪日中に日本の食・食文化の魅力の体験をした外国人が、帰国後も本国にいながら再体験できるような環境整備を図り、日本産農林水産物・食品の輸出拡大につなげていく「食かけるプロジェクト(以下「本プロジェクト」という。)」を推進しています。

本プロジェクトの一環として、「モノ」に焦点を当て、地域の食文化・食体験の魅力を伝える輸出向けの商品を全国から掘り起こし、魅力ある商品を選定し、選定した商品の磨き上げや越境ECでの販売に向けた支援を行います。

「食かけるプロジェクト」というプロジェクトの存在を知らなかったのですが、農水省が越境ECの支援をしています。対象は食に関するもの。

  • 地域の食文化・食体験を訴求できる商品(食品)であること。
  • 商品とは、日本国内で製造・加工された加工食品(飲料・酒類を含む。)又はそれらの組み合わせ。
  • 輸出意欲があること。

条件はこちら。3つ目の「輸出意欲があること」は重要ですね。法的な面もありますし、送り方の問題もありますので、中途半端な心構えではうまくいきませんから。特に食に関するものは国ごとにルールが違ったりしますので、事前に必要な知識などを勉強しておくとよさそうです。

EAT! MEET! JAPAN FAQ | 農林水産省
https://www.eatmeetjapan.jp/ec/faq

第1段階では、応募商品のうち輸出向けに磨き上げを行う商品を5~10点程度選定します。ここで選定された商品については、各種専門家(商品開発、コピーライター、ソムリエ、輸出事業者、EC事業者等)を派遣等し、商品内容・包装の見直し、商品の組み合わせのコーディネート、商品の情報発信のためのストーリーづくり、価格設定等のアドバイスや、越境EC事業者との商談支援といった支援を受けることができます。(支援策その1)

支援の内容は2つ。1つ目は商品の磨き上げ。海外ではどうすれば売れるのかの知識、商品だけではないストーリー、価格設定など幅広く支援してもらえるようです。正直なところ、このあたりをやり切るにはかなりの時間がかかりますので、「輸出意欲」がない場合は応募しないほうが良いでしょう。

第2段階では、第1段階で磨き上げた商品の中から、優秀商品を1~3点程度を認定します。優秀商品については、本プロジェクトのウェブサイトへの掲載の他、越境ECでの販売に向け、外国語表示、輸出先国・地域の規制への対応、EC掲載手続き、越境ECでのテスト販売等に向けた支援を行います。また、本プロジェクトのウェブサイトにおいて、多言語での商品の魅力を発信し、当該商品の購入可能なECサイトへの誘因を支援します。(支援策その2)

なお、優秀商品の認定に至らなかった商品については、今後の商品改良に役立つようその事由及び改善内容をフィードバックします。

2つ目は実際の販売の支援です。前述のように海外で販売するにはたくさんの課題がありますので、そこの支援をしてもらえるのはメリットが大きいです。そのなかでも規制の対応とテスト販売はとてもありがたいですね。

越境ECの事例をネットで探すとたくさん出てきますので、そういったもので勉強しながら自社が対応するかどうかから検討をしてみましょう。「難しい」という結論になったとしても、そこで得た知識は国内でも生きるはずです。

今週の要チェック記事

ECサイト利用者の約8割が「購入目的なくてもECサイトを訪問」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10875

「Google アナリティクス」のデータなどを見ていると買わない人が多く見えますが、その理由はこれです。来てもらう理由を作れば買ってもらうチャンスが増えますよ。

アパレルECサイトの機能が購買に与える影響をレポート 「商品検索」「お気に入り登録」利用促進でCVR改善 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/8626

前述の記事に関連して。お気に入りは意外と使われます。あとは購入履歴も。

ECキューブ→Shopifyへの移行で経験したこと | ユリ|note
https://note.com/yuri1994san/n/nd1e4683af47c

「こうなるとうまくいかない」ということばかりが書かれています。乗り切った方法も参考に。

ShopifyのサンクスページURL(購入完了ページURL)と正規表現を徹底解説 | FORCLE
https://forcle.co.jp/blog/shopify-thankspage/

広告のCVタグを設定するときなどに。

「うちのショップって、GA4導入しないといけない?」アクセス解析のプロが、初心者向けにわかりやすく解説 | BASE U
https://baseu.jp/29132

GA4は無料なので導入はしたほうがいいです。施策の効果検証がオススメの使い方。

【2023年4月改訂】宅急便・宅配便・郵便の料金比較!送料が安い業者は? | 富士ロジテックホールディングス
https://fujilogi.net/blogs/column/fujilogi-columnt-214

日本郵便が一部「荷物の付加サービス」料金を値上げ&廃止、郵便物の特殊取扱料と国際郵便料金も料金引き上げ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10897

物流関連記事を2つ。どこも値上げなのでまとめ記事は助かりますね。

偽物買わせるネット通販、「代引き」悪用急増 “返金不可”狙う | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/28/news158.html

代引きは本当にトラブルが多いです。使っていない事業者さんも多いです。

楽天市場はなぜ「アマゾンより使いにくい」のか、IT批評家が徹底検証 | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/322071

使いにくさを上回るポイントメリット。SKUなどでこのあたりに対抗しようとしていますが。

今週の名言

チームEC成功の秘訣はグランドデザインにあり 個と組織の強さを両立するマネジメントとマインド醸成術 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/12671

ただ目の前のことに追われている状況であれば、1週間後・1ヵ月後と少し先の指標にも目を向けるようにする

短期的な成果だけを見ていてもなかなかうまくいかないです。ちょっと先を見て地ならしをしてから、短期的な施策を。

筆者出版情報

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