森野 誠之[執筆] 2023/4/25 8:00

ネット通販でのトラブルが引き続き多発しています。注意して見ないとわからないようなものが多いので、初めて訪れるサイトでは要注意です。法規制を強化しても抜け道がある状況なので、自分の身は自分で守るしかなさそうです。

まっとうな皆さんは、安心してもらえるコンテンツの発信を

その「¥」表示は本当に日本円の表示ですか?-通貨をよく確認しないと約20倍の価格になってしまうため要注意!! | 国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230419_2.html

カリグラフィー(欧文の文字を美しく書く技法)のガイドブックなどをインターネット上で販売する「Calli-Calli」について、「『¥』表示を見てクレジットカード決済で申し込んだところ、日本円(JPY)ではなく、中国人民元(CNY)で決済され、約20倍の価格で購入したことになっていた」との相談が複数寄せられています。

今週は通販でのトラブル事例です。「¥」は「えんマーク」と呼んでいますのでこれは間違えますよね。ちなみに人民元の記号は「¥」で同じ。発音も「えん」「げん」で似ているので本当にわかりにくいです。

対策としては事業者の社名や代表者名、住所などを調べてから買うこと。記載がなければどれだけ安くても買わない方がいいでしょうし、「Googleマップ」などで住所を検索して、出てきた画像に違和感がある時も買わない方が良いでしょう。

「電動アシスト自転車」と称し販売された製品でも、道路交通法の基準に適合しない場合は道路の通行をやめましょう!-まずは、お持ちの銘柄を確認しましょう! | 国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230419_1.html

当該事業者が販売していた車両のうち、2銘柄が京都府警察本部等における捜査の過程で、道路交通法の基準に適合せず、原動機付自転車に該当することが判明していることに加え、他の8銘柄についても警察官が確認した結果、道路交通法上の基準に適合せず、原動機付自転車に該当するおそれがあるとの連絡がありました。

なお、8銘柄のうち、2銘柄については購入した消費者から消費生活センターを通じて、「使用している電動アシスト自転車が公道を走れるものなのか不安を感じる。アシスト比率に問題がないか調べてほしい。」というテスト依頼が続けて寄せられました。

こちらは売られていたものが法律の基準に適合していなかったという例。売っているからには適合しているのだろうと思って買うと、あとから痛い目にあってしまいます。何かしらの法規制がある商品も買う時は慎重に。というか、その前に売ってはいけないのですが。

注意!ネットの定期購入 規制強化なのにトラブル急増 | NHK解説委員室
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/482269.html

1回目の商品が届いた後、解約をしようと事業者に連絡をしたところ、「特別割引クーポンを使った場合、最低5回は買わなければならないコースに変更になっているので、解約できない」として、5回分の料金を払うよう言われたというのです。

「1回だけのお試しOK」「いつでも解約可能」とあって、申し込みをすると、チャット画面に導かれて、指示に従って名前や住所を書いて、注文を確定しました。

ところが、商品が届いて、数日後に解約しようとしたら、解約できる期限を過ぎているといわれたというのです。
実は、チャットになった後、画面が自動的に動いて、飛ばされた部分があって、そこに、スクロールして戻ってみてみると、「初回発送の10日後に、2回目を発送します。解約するなら期限は、その5日前までです」といった条件が書かれていた。

通販での定期購入についてのトラブルです。定期購入に関しては2022年6月に特商法が改正されています(https://netshop.impress.co.jp/node/9750)。にもかかわらず、こういったトラブルが後を絶たないのが現状です。そもそも「定期購入には手を出さない」「お得そうなものは疑ってかかる」という意識がないといけないのかもしれません。

こうした事業者は、スマホのSNS上で、利用者の年齢や検索履歴などの情報を参考に、例えば、しみが気になりやすい年齢で、美容に関連のある商品を検索している人をターゲットに、しみが消えるという美容液の広告を発信します。でも、広告はすぐに更新できますので、いったん、消費者が注文を終えて、画面を消してしまうと、後から検索しても、消費者が実際に見た広告や申し込み画面を見るのが難しい。あるいは、検索できる広告には、きちんと、定期購入だということや、解約の条件などが書かれていたりしている。

ということで、消費者が、実際に見た広告や申し込み画面が、誤解をさせるような表示だった、という証拠がない。だから、事業者に開き直られると取り消しができないし、なかなか処分にもつながらないのではないか、というのです。

確かに広告だと再度表示させることが難しいですね。完了画面、確認画面も何も考えずに次に進んでしまうことも多いです。証拠を残そうと思って買う人もいませんので、その心理が悪用されています。こういったことがあると何のための法規制なのかわからなくなってしまいますが、そもそも規制がなければ処分もできません。自分の身は自分で守るしかないのかもしれませんし、大多数のまっとうな販売をしている事業者の方は、購入者が安心して買い物をできるようなコンテンツを作っていくしかなさそうです。

今週の要チェック記事

【ステマ規制の運用基準】内容の悪質性は考慮せず、「事業者の表示」を隠しているか否かが違反の構成要件 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10817

「規制の趣旨はあくまで、一見、第三者の表示であるのに事業者の表示であるものを規制すること。不必要に不安を与えるのは本意ではない」とのこと。

初回限定品を狙った不正注文・転売の対策方法7選 | 不正検知Lab -フセラボ- by cacco
https://frauddetection.cacco.co.jp/media/knowhow/9204/

性善説で考えるとうまくいかないのがこのあたり。実施を考えている人は読んでおきましょう。

駄文:検索エンジンが対話型AIに置き換わったら、運用型広告はどう変化するのか考えてみた | Hiroki Tanaka|note
https://note.com/hyroki1980/n/n789e4d405863

検索連動型広告を出稿している人は多いはずなので、この先のことを考えておきましょう。

良品計画、「ネット注文店舗受け取りサービス」の対象商品に食品を追加 ネットストアで取り扱う衣生食の全カテゴリーが店舗受け取り可能に | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/33753

「インスタント・レトルト・菓子・飲料などを含む食品を追加」とのこと。個人的にカレーがありがたいです。

一部区間における宅急便などの「お届け日数」と「指定時間帯」の変更について | ヤマトホールディングス
https://www.yamato-hd.co.jp/important/info_230417_1.html

ヤマト運輸、配送先住所変更(転送)は運賃収受へ。「宅急便転居転送サービス」の新規申し込みは終了 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10871

2024年問題に関連してヤマト運輸さんが動きました。他社も動きそうですね。

「ヤフーショッピング」、3月の流通額『30%減』の衝撃 「超PayPay祭」などの特典減少が影響か | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/8573

ヤフー、「Yahoo!ショッピング」の一部付与特典を「PayPayポイント」から「ヤフーショッピング商品券」へ切り替えへ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10867

しばらくはバランス重視の経営となる「Yahoo!ショッピング」。出店者はどこまで力を入れるのか悩みどころです。

Shopifyで月商1000万円以上を目指すための施策 | ネクストエンジン
https://next-engine.net/ec-blog/growthday202203_shopify/

この通りにやっていけば1000万円といかなくても、数百万円までは行けるはず。

今週の名言

「あと一歩だけがんばろう」その声掛けで売上がグンと伸びたお話 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/230417-execute-ingenuity/

「分かっている」と「やっている」は違いますし、「やっている」と「成果が出る」は違います

成果を出すにはやらないといけないですし、やるにはわかっていないといけない。シンプルな真理です。

筆者出版情報

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森野誠之 著
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