森野 誠之[執筆] 2022/12/13 8:00

「電話勧誘販売」の範囲が拡大されることになりそうです。電話をさせるきっかけがWebページの場合でも対象になってしまうので、これは注意が必要です。

電話をさせて受注する場合は要注意です!

テレビ通販の電話受注でクロスセルしたら逮捕?消費者庁、特商法の政令改正案について意見募集 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/7684

原案通りの内容で改正されると、例えば、ウェブやテレビ・ラジオ広告、新聞広告などを見て電話をかけてきた顧客に対して、クロスセルやアップセルを行う行為が「電話勧誘販売」に該当することになる。「電話勧誘販売」の場合、書面交付義務や、再勧誘の禁止規定など、「通信販売」にはない、義務・禁止行為が多数規定されている。

もともと、電話勧誘は不意打ちに近い形で営業されてしまうので、訪問販売に近い考え方になっています。ネット通販などの通信販売とは違う考え方で規制されているので、要注意です。

今回の政令の改正案では、「電話をかけさせる方法」の例示の中に、「広告を新聞、雑誌その他の刊行物に掲載し、若しくはラジオ放送、テレビジョン放送若しくはウェブページ等を利用」することを新たに追加している。つまり、新聞・雑誌広告、テレビ・ラジオ、ウェブなどを見て電話をかけて来た顧客に対して、クロスセルやアップセルを行うと、「電話勧誘販売」としての規制を受けることが明確化することになる。

ネット通販だからといって今回の規制の対象外とは限りません。引用文にあるようにWebサイト上で「今すぐお電話を!」のような広告を出すと規制の対象になる可能性があります。最終的な注文の受け方ではなく、「消費者に電話をかけさせるきっかけを作って、クロスセルやアップセルをするのはダメですよ」となっています。

海産物の電話勧誘販売・送り付けトラブルがさらに増えています-年末にかけて特に注意してください! | 国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221124_1.html

海産物の販売事業者から、「ふるさと納税の返礼品を送ったことのある事業者だが、コロナ禍で収入が減り困っている」と電話があった。「カニもたくさん入っているしサービスする」と言われ、支援するつもりで購入した。代引配達で商品が届き、約2万2,000円を支払って受け取ると、カニは入っておらず、他の海産物も全く値段に見合わないものだった。

こういった事例があるから規制が厳しくなってしまう。これ以外にも「電話で注文をしたら、身に覚えのない定期購入を契約していた」というケースも多いです。いずれにせよ、通信販売は悪徳業者が後を絶たないので、今後もこうした規制が強化されていく流れにあります。「知らなかった」では済まされないので、以下のカテゴリの記事を読んで法規制の動きを把握しておきましょう。

行政・法律 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/taxonomy/term/300

関連記事
電話受注の際の「アップセル」「クロスセル」を規制へ。消費者庁が「電話勧誘販売」の範囲を拡大 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10408

今週の要チェック記事

目的は常に「売上増」。TēPsを“攻め”に活用した施策でギネス記録を樹立|エース株式会社 | TēPs
https://teps.io/info/cases-ace/

「楽天市場のイベントの際、商品名を自動で変更するのにTēPsを利用しています」。これだけでとても便利。

あなたの知らないメタバースECの最新動向? | カグア!
https://www.kagua.biz/social/metaverse/metaectrend.html

まだまだ使ったことがある人は少ないメタバースEC。じわじわと広がっているようです。

サイバーマンデーのオンライン消費額は113億ドル 史上最高額を記録【アドビ調査】 | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/40743

「最終的なホリデーシーズン全体の消費額が2,101億ドル(前年比2.75%増)に達すると予想」。値引きがかなり効果を出したようです。

チャンスをつかめたのは、ネットショップがあったからーー気鋭の農家が語る、挑戦を支えるBASEの存在 | BASE U
https://baseu.jp/27590

テレビなどで紹介されたときの受け皿としてのネットショップ。いつ取り上げられるかわからないので、こういった準備は必要ですね。

「店頭情報」「検索エンジン」「UGC」の3つが購買行動において重要な情報源に、約9割が「ネット通販や定期通販」で商品を検討する際にUGCをチェック | アライドアーキテクツ
https://www.aainc.co.jp/news-release/2022/02437.html

口コミも怪しいものが増えてきていますが、参考にする人が多いようです。比較が難しいものはこうなりますよね。

Amazonのベストセラーメーカーが1年で後発メーカーに敗れ9億円以上の損失を出し倒産するまで | GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20221205-7-million-dollar-amazon-bankrupt/

なんとも恐ろしい…。売れてきたらこういったことにも注意です。

商品コードがバラバラでも、ネクストエンジンで在庫連携・受注管理が「ずっと」できる! | Hamee
https://hamee.co.jp/news/2022/12/06/113936

「現在の商品コードルールを変更できない」。これに対応できるのはとても助かりますね。

「コンサル要らずに」「1社に1冊はほしい」「ここまで書いていいの?」と業界人が絶賛した「いちばんやさしいEC担当者の教本」の著者に見どころを聞いてみた | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10409

多岐にわたるEC業務を網羅した書籍。EC運営歴が長い人ほど読んだほうがいい本。

今週の名言

地域に愛される街の食堂って、簡単に言うけれど ありがとう南原食堂。またね! | Coneru 代表 ひらつかやよい|note
https://note.com/coneru_nazoko/n/n643bdc1080b0

地域に愛されるお店というのは、簡単だけど愛されるだけではなく、愛してくれないと愛されない

地域に限らず、他人を愛せない人は愛してもらえないですよね。まずはお客さんや商品を愛することから。

筆者出版情報

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