電話受注の際の「アップセル」「クロスセル」を規制へ。消費者庁が「電話勧誘販売」の範囲を拡大
消費者庁は11月30日、電話受注の際に行う通販の「アップセル」「クロスセル」の販売手法を規制する特定商取引法施行令の改正案を公表した。
通販事業者などが電話で勧誘を行い、申し込みを受ける商取引は「電話勧誘販売」と言われ、特定商取引法の規制対象となっている。
電話勧誘販売に該当する販売手法として消費者から「電話をかけさせる方法」(電話注文を促す広告など)を政令で限定していたが、特定商取引法施行令の改正案ではその範囲の拡大を検討。公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は次のようにコメントを発表している。
従来は適正な商慣習であり通信販売の一環として扱われていた、電話受注の際のアップセル・クロスセルによる販売手法が、電話勧誘販売規制の適用を受けるようになる。
「電話をかけさせる方法」を定めた特定商取引法施行令第2条第1号に、「又は広告を新聞、雑誌その他の刊行物に掲載し、若しくはラジオ放送、テレビジョン放送若しくはウェブページ等(インターネットを利用した情報の閲覧の用に供される電磁的記録で主務省令で定めるもの又はその集合物をいう。第十九条において同じ。)を利用して」という文言を追加。電話勧誘販売に該当する行為の範囲を拡大する。
新聞、雑誌、ラジオ、テレビショッピング、ECといった広告を通じて注文する消費者に対して、電話受注においてそれらの広告に掲載していない商品の購入を勧めると電話勧誘販売規制の適用を受ける。そのため、クーリングオフ制度の対象になるといった制約を受けるようになる。
消費者庁は改正案に関するパブリックコメントの募集をスタート。公益社団法人日本通信販売協会は、関連する事業者に対して「本改正内容をご確認いただき、意見提出をご検討いただきますようお願いいたします」とコメントを発している。