東証グロース市場に新規上場するZOZOが親会社のファッションEC「yutori」とは

yutoriは、Z世代(1997年から2009年に生まれた世代)を対象としたストリートファッションブランドでスタート。その後は取り扱いブランドを拡充し、さまざまなファッションブランドを展開している

松原 沙甫[執筆]

2023年11月28日 8:30

ZOZOが議決権ベースで51.0%の株式を保有するファッションECのyutoriは12月27日、東証グロース市場に株式を新規上場する。東京証券取引所が11月24日、新規上場を承認した。

yutoriは2018年4月、アパレル販売を目的として設立。主に衣料品および雑貨などの企画、小売り、卸事業を手がけており、Z世代と呼ばれる25~40歳を対象としたファッションブランドを展開している。

yutoriが運営する直営のECサイト「YZ Store」
直営のECサイト「YZ Store」

アパレル商材の企画および販売で規模を拡大。主なブランドには「9090(ナインティナインティ)」「centimeter(センチメーター)」などがある。最近はM&A(合併・買収)によって「F-LAGSTUF-F(フラグスタフ)」「Younger Song(ヤンガーソング)」「Wudge Boy(ワッジボーイ)」などのブランドを取得、ブランド展開の多様化を図っている。

yutoriが展開する主なブランド
yutoriが展開する主なブランド

販売チャネルは主に、直営ECサイト「YZ Store」、POPUPストアやオフライン店舗の販売のほか、ZOZOが運営する「ZOZOTOWN」が中心。全体売上に対する構成比は、自社ECサイト51.4%、ZOZOTOWNが31.5%、店舗などが10.3%、卸販売は6.1%。

事業の特徴としてはSNSマーケティングの積極活用。自社アプリのダウンロード数は5万7000人、SNSのフォロワー数はInstagramが152万6000人、TikTokが161万8000人などとなっている。

直近の決算期となる2023年3月期の売上高は、前期比51.4%増の24億7000万円、営業損失4700万円、経常損失5400万円、当期損失6800万円だった。

yutoriの売上高の推移
売上高の推移(画像は目論見書からキャプチャ)

yutoriの2023年9月30日現在における従業員数は43人、平均年齢は27.1歳、平均年間給与は365万1000円となっている。

新規上場による手取り概算額は2億635万円となる見通しで、調達資金の使途目的は借入金の返済に全額の2億635万円を充当する予定。これにより、金利負担を軽減して財務状況の強化を図っていく。

ZOZOは2020年7月、yutoriとの資本業務提携を締結。議決権ベースで51.0%の株式を保有する筆頭株主となっている。

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