旅行中に越境ECでの「旅アト購入」は35%。約半数が「旅行時に価格以外の理由で購入を諦めた経験あり」
BEENOSの連結子会社BeeCruiseが実施した「海外旅行および訪日旅行における消費行動と越境ECに関するアンケート」によると、越境ECによる旅アト・リピート購入経験は35.4%だった。調査対象は越境ECの海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」の顧客(米国、台湾、韓国、マレーシア、英国)749人。調査期間は2023年7月~8月。
49.4%が「ECサイト経由で知ったブランドの店舗を旅行時に訪問した経験あり」
ECサイトをきっかけに知った海外のブランドや販売店を、海外旅行時に実際に訪問したことがある割合は49.4%。SNSだけでなく、ECサイトを通じてブランドや商品の魅力に触れることが、旅マエの情報収集につながっている。
51.5%が値段以外の理由で旅行中の商品購入を断念
海外旅行中に「重い・大きい・その場で完成しない」など、値段以外の理由で商品購入を断念した経験がある割合は51.5%。具体的な商品として、テーブルやランプなどの家具、陶器やガラス製品、箱の大きなフィギュアや楽器などがあがった。
海外旅行中の買い物で困ったこと、上位は「大きさ」「重量」
「海外旅行中の買い物で困ったこと」の最多は「サイズが大きい」(57.1%)。「重量が重い」(46.3%)、「帰りの飛行機で重量オーバーになった」(44.2%)が続き、大きさや重さに関する課題が大きいことがわかった。
2022年6月以降に訪日したユーザーは43%、1年以内に訪日を予定しているユーザーは67%
条件付きでの外国人観光客の受け入れが再開した2022年6月以降に訪日したユーザーは43%だった。
国別で見ると、1年以内に訪日を予定している国の最多は韓国(44%)で、次いで台湾(37%)だった。
さらに1年以内に訪日を予定しているユーザーは67%と過半数を超え、特にマレーシア、韓国、台湾ユーザーの訪日意向が高い。今後のさらなるインバウンド回復が期待できる結果となった。
訪日の目的は「買い物」が78.4%、「食文化を楽しむ」が76.2%
訪日旅行経験者に「日本の旅行の主な目的」を尋ねたところ、「買い物」(78.4%)、「食文化を楽しむ」(76.2%)が上位で、次いで「名所旧跡を見る」(69.7%)、「その国の生活に触れる」(65.8%)だった。
訪日時に購入したい人気ジャンルは、「ホビー」「エンタメ」「食品」
訪日した際に購入したい商品ジャンルは、「おもちゃ・ゲーム・アニメグッズ」などのホビー、「本・CD・DVD・エンタメ」などのエンタメ、「食品・飲料」が人気上位となった。
訪日時の買い物予算、「10万円以上」が最多
「訪日した際の買い物予算」についての質問では、「10万円以上」が最多の50.7%で、次いで「5~7.5万円未満」が15.9%だった。
訪日後の越境ECによる旅アト・リピート購入経験は35.4%
「訪日時に発見した商品や、購入した商品を帰国後に越境ECで購入した経験」について、35.4%が「ある」と回答。具体的には、食品、化粧品などの消耗品、書籍、カー用品、家電、アウトドア用品などの重さがありかさばる商品や、靴や服などがあがった。
旅アト・リピート購入経験がないユーザーのうち、43.7%が「利用意志あり」
上記の質問で「利用したことがない」と回答したユーザーに理由を聞いたところ、「その商品が越境ECで購入できるかわからなかった」(28.8%)、「欲しい商品が越境ECに対応していなかった」(14.9%)があがった。43.7%は旅アトの購入の意志があったものの、越境ECの対応状況によって購入が叶わなかったことがわかった。
アンケート結果について、BeeCruiseは次のようにコメントしている。
経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」によると、越境ECの市場規模は、2030年までに7兆9380億USドルに成長すると予想されている。訪日により実際に商品の魅力を感じた海外のお客さまに越境ECを活用した旅アト消費を促すことで、インバウンド消費を一過性のものにせず、最大化することが可能になる。一方で、越境ECに未対応であることや、対応していても実店舗からの導線が不十分なために、旅アト・リピート購入の機会を逃している実態が見えてきた。
調査概要
- 調査名称:海外旅行および訪日旅行における消費行動と越境ECに関するアンケート
- 調査実施期間:2023年7月~8月
- 調査対象:海外向け購入サポートサービス「Buyee」の顧客:米国、台湾、韓国、マレーシア、英国
- 調査人数:749人
- 調査方法:オンラインアンケート
- 調査主体:BEENOSグループ