海外からリピート購入される「Tabio(タビオ)」の靴下。海外ユーザーが語る「越境してまで購入する理由」とは?
円安の追い風もあり、日本発の越境ECは海外から熱視線を浴びています。2022年6月1日のインバウンド受け入れ再開後、越境ECはリピート購入の場としても注目されています。今回は「タビオ」の商品を台湾から購入している消費者へのインタビューを通じて、商品が海外ユーザーから選ばれる理由を探ります。
円安の追い風を受けて活気づく越境EC市場
BEENOSグループが運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee」を利用している海外の消費者約800人にアンケートを実施したところ、93%以上が「アフターコロナ以降も越境ECを利用したい」と回答しています。
今後も伸長が見込まれる越境EC市場には現在、多くの日本企業が参入しています。越境ECのファーストステップは、サイトの越境EC化ですが、流通を増加させていくためにはリアルタイムな購買データから見える自社商品の海外需要の把握、その分析によるエリア・言語・時節に合わせたプロモーションが求められます。
「Tabio」を愛用する海外消費者へのインタビュー
適切なプロモーションの実施のために、定量データだけでは把握できない定性的な海外消費者のインサイトを掴むために、インタビューを実施しました。協力いただいたのは、タグ設置のみで海外販売可能な「Buyee Connect」を導入している靴下専門店「Tabio」を利用する2人の台湾消費者です。
インタビュー概要
- 形式:オンラインインタビュー
- 実施日程:2022年4月26日(火)、27日(水)
- 購入エリア:台湾
- 購入者の性別:女性
- 購入者の年齢:30代
- 人数:2人(個別インタビュー)
- 購入ショップ:靴下専門店「Tabio」(https://tabio.com/jp/)
――「Tabio」を知って購入したきっかけはなんですか?
Aさん:3~4年前、コロナ前に日本を観光した際に「Tabio」を知った。
Bさん:訪日した際に通りかかったお店でたまたま「Tabio」の商品を見つけて、履いてみると着心地がよくて、「Tabio」というブランドを覚えた。台湾に帰国してから検索して公式サイトを見つけ、それ以来、定期的に新しい商品をチェックしたりしていた。なかなか販売店が見つからなくて困っていたが、Facebookで広告を見て、「Tabio」の公式サイトが台湾向けに越境ECを行っていることを知った。
――「Tabio」の商品を購入する理由を教えてください。
Aさん:まずは日本製なので安心感がある。履いてみて履き心地に一目惚れしてしまった。複数の他社の靴下も購入したことがあるが、1回洗うと伸びてしまう。「Tabio」ほど軽くて涼しく、機能性が高い靴下はないと思う。特に5本指ソックスのような特殊なデザインは台湾ではあまりない。しかも、綿、麻、絹などさまざまな素材があるなんて最高。
Bさん:楽器を演奏する機会が多いため、「Tabio」の着圧ソックスや美脚サポーターなど機能性の高い靴下を必要としている。台湾は気温が高く汗のにおいが気になるため、デオドラント商品も本当に助かる。さらに、「Tabio」の商品は季節やオケージョンに合ったものが多いため、どんな場面にも似合うコーデができるのでおすすめ。
――日本製であることも購入を後押しする要素でしょうか?
Aさん:ある程度日本製への信頼度は高い。さまざまな場面で使いわけをしており、独特性のある商品、希少性の高い商品は日本製を信頼している。日本製のものは全体的にリピート購入している。
Bさん:やはり日本製は品質が保証されていると思う。品質がありながらも、高価ではなくコスパがとても良い。日本製品への好感度は高いが、SNSや越境ECで初めて見るブランドの場合は、本当に日本製かどうかわからないため購入に不安がある。
――商品の購入決定までの流れと参考にしている情報などを教えてください。
Aさん:いつも商品レビューを参考に買い物している。FacebookやInstagramといった主要なSNSをチェックしており、YouTubeやブログなど越境EC向けのフォルム(日本製商品のレビュー専門コミュニティ)もよく読んでいる。
Bさん:「Tabio」だけでなく、訪日した際に他社の靴下も気まぐれで何度か買ったことがあるが、「Tabio」は一番着心地が良い。そのため、外部情報より自分自身の必要性と使用体験を信頼している。
品質が高ければ手数料があまり気にならない
――越境ECで購入する商品とその理由を教えてください。
Aさん:海外限定販売商品や、希少価値のある商品を越境ECで購入している。
Bさん:コロナ前では半年もしくは1年に一度、日本や韓国を観光していたが、旅行できない状況の中、越境ECを活用して海外の食品や日用品を購入している。代理購入の手数料は少し気になるため、主に台湾で買えない、見つからない物を購入している。
――海外からアパレル商品を購入する際の決め手は何ですか?
Aさん:商品代金以外で海外手数料、国際送料などさまざまな費用を払ってわざわざ海外から買い物する場合、品質が高ければ、価格はあまり気にならない。機能性と健康が一番重要な基準。
Bさん:近隣の国と比較すると、日本のファッションの選択肢の幅が広く、デザインが豊富で、大きいサイズでも可愛いデザインがいっぱいあり、ぽっちゃり気味の人に優しいところが好き。TPOを考えて服をコーディネイトしているので、靴下もちゃんと選ばないといけない、デザイン性を一番重視している。
海外ユーザー獲得に有効なプロモーション設計とは
ご協力いただいた消費者は2人とも訪日の際にブランドや商品を認知して購入、帰国してから越境ECを利用してリピート購入しています。コロナ禍でインバウンドが見込めない状況でしたが2022年6月に再開。その後の越境ECでのリピート購入も合わせた購買環境の構築が必要になってきます。
アンケートでは越境ECを利用して購入しているものは自国で買えない商品であること、アパレル商品には特に品質やデザイン性が求められていること、そして日本製品への信頼度の高さ、商品購入前の情報収集ではFacebook、InstagramなどのSNS、インフルエンサー、雑誌、口コミなどが参考にされているほか、日本製品のレビュー専門サイトも利用されていることがわかりました。
プロモーションには、定量データと定性データの2つの視点での設計が必要になります。BEENOSグループが提供する「Buyee」「Buyee Connect」では、ダッシュボード機能によって海外ユーザーのデモグラフィックおよび購買データをリアルタイムで可視化、売上や注文件数、注文単価などの推移が定量データとして確認できます。また、定性データは海外のお客さまに個別インタビューを実施するといった方法があります。
インサイトを知るためのインタビューなどの定性データと定量データを組み合わせて販売戦略をローカライズし、海外プロモーションに役立てましょう。