藤田遥 6/28 7:00

BEENOSが2022年6月17日に発表した「BEENOS 2022年 上半期 越境ECトピックス」によると、円安が輸出の追い風になっており、越境ECの数字が伸びているという。円安が加速した2022年3月11日前後で、海外購入向けサポートサービス「Buyee(バイイー)」における購入金額は、以前と比べて18.8%増加した。

円安前より購入金額、購入単価ともに増加

6月22日には円相場が一時1ドル=136円台をつけるなど円安が続いている。円安では、海外から日本の商品が購入しやすい状況になっており、「Buyee」の2022年9月期第2四半期の流通総額は前年同期比26.7%増加した(円安が急速に進んだ2022年3月11日、円相場が一時1ドル=116円80銭台を起点)。

3月11日以降の「Buyee」経由の購入金額、購入UU、顧客単価は上昇しており、金額は+18.8%、UUは10.9%、単価は1102円増加した。

BEENOS 越境EC 3月11日以降のBuyee経由の購入金額、購入UU、顧客単価
3月11日以降の「Buyee」経由の購入金額、購入UU、顧客単価

こうした状況について、BeeCruise 執行役員の本間哲平氏は「一過性のものではなく、3月下旬にかけてもトレンドが続いている」と話す。

BEENOS 越境EC 3月下旬以降のBuyee経由の購入金額、購入件数の推移
3月下旬以降の「Buyee」経由の購入金額、購入件数の推移

購入金額の伸長率上位にブラジル、メキシコがランクイン

購入金額の伸長率を国・エリア別にランキングした結果、1位はブラジル、2位はメキシコ、3位はマカオだった。年齢別の伸長率では、トップが「19歳以下」、次いで「25~29歳」「50歳以上」だった。

BEENOS 越境EC 国/エリア別・伸長率ランキング 購入金額
国/エリア別・伸長率ランキング(購入金額)(「Buyee」経由の、2022年5月の購入金額が高い国/エリア上位30位と2022年2月の同国/エリアの購入金額を比較して算出)
BEENOS 越境EC 年齢別・伸長率ランキング 購入金額
年齢別・伸長率ランキング(購入金額)(「Buyee」経由の2022年5月と2022年2月の購入金額が高いユーザーの年齢を比較)

この結果について、本間氏は「日本から遠く、送料が高い地域で伸びた」と分析する。

ドル円と比べてブラジルは2倍弱ほど、メキシコでもドル円より高い水準で円安が進んでいる。送料がネックでなかなか手を出せなかったユーザーが円安をきっかけに越境ECを使うことにつながっているのではないか。(本間氏)

BEENOS BeeCruise執行役員の本間哲平氏
BeeCruise執行役員 本間哲平氏

商品ジャンル別ランキングでは、外装・エアロパーツや東洋彫刻がTOP10入り

2020年5月の商品ジャンル別の購入金額ランキングでは、「ポケットモンスター」のトレーディングカード、アニメのフィギュアなど越境ECで元々人気の高いジャンルが底上げされた。また、セイコーの腕時計など高額商品が大きく伸長したという。

特徴的なのは、外装・エアロパーツが6位に、東洋彫刻が10位にランクインしたこと。東洋彫刻は数万円~数十万円の高単価の商品が、中華圏を中心に販売されているという。

東洋彫刻は5月の伸長率ランキングにおいては1位を獲得。購入者の年齢層が高い傾向にあるカメラ関連商品が上位10位内に入っている。

BEENOS 越境EC 2020年5月の商品ジャンル別ランキング 伸長率ランキング
2020年5月の商品ジャンル別ランキングと伸長率ランキング(いずれも購入金額)

9割以上が「訪日できるようになっても越境EC利用したい」

「Buyee」ユーザーに行ったアンケート調査によると、「訪日できるようになっても越境ECを利用したい」と回答した人は、「利用したい」「やや利用したい」を合わせて95.82%だった。

BEENOS 越境EC 訪日できるようになった後の越境EC利用について
アメリカ、中国、マレーシア、イギリスの「Buyee」ユーザーへのアンケート調査結果(2021年8月実施、n=789)

日本のカルチャーを知ってもらうことは、越境EC利用につながる機会になる。インバウンド復活後も、越境ECで海外との接点を持つきっかけが増え、より越境ECの利用につながることを期待している。(本間氏)

「Buyee Connect」無償化で「閉塞感打破したい」

BEENOSは2020年6月1日から、「Buyee(バイイー)」にタグ設置のみで接続し、海外販売を可能にする「Buyee Connect(バイイーコネクト)」の初期費用、月額費用を無償化している。

無償化に踏み切った理由について、BEENOSの直井聖太氏(代表取締役執行役員社長 兼 グループCEO)は、「越境ECを通じて閉塞感を打破したい。海外でより多くの日本の商品を販売して、少しでも日本や企業の役に立ちたい」と語る。

BEENOS 代表取締役執行役員社長兼グループCEO 直井聖太氏
BEENOS 代表取締役執行役員社長 兼 グループCEO 直井聖太氏

無償化以降の反応について、本間氏は「多くのお客さまからお問い合わせをいただいている」と話す。受注獲得ペースも従来の約10倍以上に増加した。

BEENOS Buyee Connect無償化後の受注獲得ペース
「Buyee Connect」の受注獲得ペース

無償化は「Buyee Connect」を既に利用している企業も対象となる。利用中の企業からは「『Buyee Connect』にかかっていた費用をデータ分析ツールに費用を充てるなど、プロモーションに力を割ける」といった声があがっているという。

「Buyee Connect」導入で越境ECの課題をクリアした「ゴジラ・ストア」

東宝ステラが運営するゴジラグッズのオフィシャルオンラインショップ「ゴジラ・ストア」は2022年4月から「Buyee Connect」を導入し、本格的に越境ECを開始した。

海外におけるゴジラの人気は高く、北米、アジア、中東などでポップアップを展開している。越境ECをスタートした理由について、東宝ステラの宮嶋広樹氏(事業部 EC事業室長 ゴジラ・ストア担当)は次のように話す。

海外のゴジラファンにも国内の商品を届けたい。また、どのビジネスにおいても国境がなくなってきていると感じている。新宿の実店舗はコロナ前は約3割がインバウンドだったが、2020年3月以降はそういったインバウンドのお客さまがいなくなってしまった。インバウンド需要をウェブで実現したいと考えた。(宮嶋氏)

東宝ステラ 宮嶋広樹氏
東宝ステラ 事業部 EC事業室長 ゴジラ・ストア担当 宮嶋広樹氏

越境ECを開始するにあたり、「言語」「法律」「通関・輸送・現地での配送」「代金の支払い」が課題にあがっていた。しかし、「Buyee Connect」を導入し、ワンストップで解決につながった。

また、「ゴジラ・ストア」の商品は高額なものが多く、転売の対象となる可能性が高い。当初、転売対策のシステムがなかったが「担当者に話をしたところ、1週間ほどで対策が講じられた。転売対策もしっかり行っている」と宮嶋氏は話す。

TwitterやYouTubeの「ゴジラ・ストアTV」で情報を発信。「ゴジラ・ストアTV」は2020年1月から開始しており、国内向けに新商品の紹介を行っていたが、海外ファンからの反応も大きいという。

海外でも人気のあるゴジラのフィギュア
海外でも高い人気を誇るゴジラのフィギュア
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