オイシックス・ラ・大地がAI活用の需要予測システムを導入、欠品率や在庫回転率が改善

AIを用いた「需要予測システム」ではさまざまなデータを学習。11月のローンチ後1か月で、予測誤差率20.2%の改善を実現したという

松原 沙甫[執筆]

2024年1月18日 9:00

オイシックス・ラ・大地はこのほど、AI(人工知能)を活用した需要予測システムをリリースし、食品宅配サービスにおける過剰発注の減少や販売商品の欠品減少などにつなげている。

AIを活用した需要予測システムの活用対象は、主力商品であるミールキットの「Kit Oisix(キットオイシックス)」。顧客の行動や購買データ、レシピデータ、販促データなどをAIに学習させ、11月のローンチ後1か月間で予測誤差率が20.2%改善(旧ロジックと新ロジックにおける相対改善率)したという。

オイシックス・ラ・大地はこのほど、AI(人工知能)を活用した需要予測システムをリリースし、食品宅配サービスにおける過剰発注の減少や販売商品の欠品減少などにつなげている
AIを使ったデータ活用のイメージ

AI活用による需要予測の導入で最適値による発注が可能となり、欠品率や在庫回転率が改善。欠品率の改善は、顧客体験や顧客満足度の向上に影響しているほか、購入機会の損失にもつながることから売上向上にも寄与。在庫回転率の改善は、販促費や物流費の削減につながっており、フードロス削減にも影響を与えている。

AIを使った需要予測導入前は、担当者が一定のデータと経験値から需要を予測していた。ただ、予測するための時間もかかっていたことから、本来必要となる「売るための仕掛けを考える時間」が削られていたという。

オイシックス・ラ・大地は2022年から、成長戦略としてテクノロジーとデータを活用したサステナブルリテール(持続可能な小売業)の実現を推進。その戦略の1つとしてデータを活用する専門組織「Data Management Office(DMO)」を発足した。AI活用の需要予測システムはDMOに導入している。

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