EC売上100億円をめざすナルミヤ・インターナショナル、少子化+消費の多様化+デジタル化に対応する中期経営計画とは
ナルミヤ・インターナショナルは2027年2月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(中計)を策定した。
2024年2月期に前期比3.8%増の85億5800万円だったEC事業の売上高は、2027年2月期に101億1200万円まで拡大させる。全社売上高は2024年2月期比約100億円増の474億円を計画する。
アパレル業界は現在、仕入価格や物流費、物価の上昇による消費者の節約志向が響き、厳しい経営環境が続いている。ベビー・子供服業界は少子化でマーケットは縮小しているものの、1人ひとりの子供に対する消費支出額は増加傾向にあるが、競争環境は厳しくなっているという。
こうした事業環境下における戦略として、2025年2月期からの3か年成長戦略方針を明確・強固にするため、2025年2月期から2027年2月期までの中計を策定した。
既存事業の強化では、「マルチ・ブランドの進化」としてブランドポートフォリオ経営、「マルチ・チャネルの深化」としてチャネル間の融合・新ロケーションの開拓、「CRMの強化」として単一ブランドから複数ブランドへのファン拡大・LTVの最大化をめざす。
百貨店・ショッピングセンター(SC)、ECの各チャネルと顧客との連携を強化(OMOの推進)し、さらにナルミヤブランドとの接点を強める。ECにおいては、自社サイトのバージョンアップ、子供カテゴリーのモール化を推進する。
ファンの拡大とLTVの最大化を図るため、CRMも強化する。新生児からハイティーンを対象に、ブランディング・セールPRの役割を明確化。ナルミヤグループの特定ブランドのファンを複数ブランドのファンへと拡大し、最終的にはナルミヤ・インターナショナルのファンへと育成する。こうした複数ブランドへのファン化を進めながら、LTVの最大化を図っていく。
EC事業における戦略、施策のポイントでは、SNSやWeb広告など、ブランド想起率向上に向けて積極的に投資。自社ECサイト「ナルミヤ・オンライン」の価値向上を図るため、顧客ステージに応じた売り場の変化、それに伴う体験・サービスを拡充。さらに、外部ブランドの取り扱い促進、OMOの促進の強化、アジア市場進出に向けた越境ECや出店も計画している。
新規事業開発では、キッズライフスタイルの提案(フォトスタジオなど)、新カテゴリーの提案(遊び×ファッション・未来の家族×ファッションなど)、保有IP(知的財産)の活性化を掲げる。