石居 岳 2021/9/6 9:00

健康茶などの通販事業を手がけるティーライフは、2024年7月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(中計)を策定した。中計最終年度の数値目標は、連結売上高150億円、売上高経常利益率は9.5%。

中計のビジョンは「進化するウェルネス&ライフサポート企業」。経営目標として、「コロナ過で大きく変化した消費者のライフスタイルに対応するとともにデジタル変革の推進により、レジリエントな企業体質に生まれ変わる」ことをあげている。

ティーライフの中期経営計画
中期経営計画について(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

中期経営方針には「差別化戦略の推進」「将来の成長に向けた挑戦」「強固な経営基盤の構築」の3点を掲げた。

ティーライフの中期経営計画
中期経営方針について(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

小売事業

通信販売の再構築と将来に向けた積極投資に取り組む。国内ではウィッグ販売のブランド力強化、医療用ウィッグの拡大、リモートフィッティングなど、新たな購買体験を提供する。

海外では、中国で健康食品や健康茶のECを手がける特菜芙(上海)有限公司を本格稼働。BtoBの強化やライブコマースの拡大に取り組む。新たな柱となる新商品の開発や、DX革新による新たな販売手法を確立する。さらに、オリジナル商品の拡充やグループ共同開発、オムニチャネル化により、認知度向上を図る。

ティーライフの中期経営計画 小売事業の方針
小売事業の方針(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

卸売事業

収益性の改善に向けたグループのシナジーを強化する。重点施策としてテレビショッピングビジネスの収益性を改善する。その一環として、グループリソースの活用により、商品企画から製造までを実現、利益率の高い商材を開発。海外ブランド商品の販売も強化する。有名アスリートとの共同開発などにより、認知度の向上を図っていく。

ティーライフの中期経営計画 卸売事業の方針
卸売事業の方針(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

プロパティ事業

静岡・袋井にある自社の物流センターを活用した、他社の出荷業務を積極的に手がけていく。国内の中心に位置する物流拠点のメリットを生かし、配送コストの削減や翌日配達の実現、3PL事業を強化していく。

3PL事業を新たな収益の柱として育成するため、マテハンや倉庫管理システムの導入といった庫内業務を自動化。さらに、既存センターにおける賃貸エリアの拡大や、新たな物流センターの開拓などキャパシティの拡大を図るほか、自社のノウハウやセンターの立地を生かして、営業力・提案力を強化する。

ティーライフの中期経営計画 プロパティ事業の方針
プロパティ事業の方針(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)

ティーライフの2021年3月期連結業績は、売上高が前期比10.8%増の117億1900万円、営業利益は同81.7%増の9億100万円、経常利益は同75.8%増の9億2400万円、当期純利益は同67.4%増となる7億400万円だった。セグメント別の売上高は、小売事業が同3.0%増の64億100万円、卸売事業が同20.1%増の48億300万円、プロパティ事業が同41.4%増の5億1400万円となっている。

今期(2022年7月期)の連結業績予想は、売上高が119億600万円、営業利益は9億7100万円、経常利益は9億6800万円、当期純利益は7億700万円、自己資本当期純利益率(ROE)は11.8%を見込む。

売上高は毎期13%台の増収、各利益は前期比20%前後の増益を計画しており、中計最終年度の数値目標は売上高が153億200万円、営業利益は14億4600万円、経常利益は14億5500万円、当期純利益は10億1600万円、ROEは14.5%。

ティーライフの中期経営計画 中計の収益計画
中計の収益計画(画像はティーライフのIR資料からキャプチャ)
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