【節約と値上げの意識調査】7割が食費節約。20歳代の70%超が食費節約もコスパ・タイパ重視の商品購入
日本生活協同組合連合会は7月25日、「節約と値上げ」の意識について組合員向けに実施したアンケート調査の結果を公表した。全体の9割超が節約を意識し、7割弱が食費の節約を実施。20歳代では約4割が「食費を今まで以上に節約」する意向と回答した。またコスパやタイパを重視する傾向も見られた。
日生協は5月14日~5月19日の期間、組合員モニターに対し「節約と値上げ」の意識についてインターネット調査を実施。6536件の有効回答を得た。
節約意識について聞いたところ、全体の約94%が日頃から節約を意識していると回答した。
理由は「モノやサービスが値上がりしているから」が59.9%で1位。「将来の生活に備えて貯蓄するため」(53.3%)、「不況・景気への不安がある」(36.1%)と続き、物価高騰を含めた経済不安の影響が如実に表れている。
直近3か月に実施した節約の内容については、「ふだんの食事」が62.7%で全体のトップ。20歳代は76.8%が「ふだんの食事」と回答し、2023年11月の前回調査より9.7ポイント増加。他の年代と比べ飛び抜けて高かった。
食品を買う際に多少価格が高くても買う理由となるモノを聞いたところ、前回調査と変わらず「おいしい」(71.3%)、「国産品」(57.7%)、「添加物不使用・添加物が少ない」(42.0%)が上位にランクイン。4位は「時短できる」(31.2%)で、20歳~30歳代の若年層からの回答が増加。20歳代は47.7%、30歳代は49.4%と約半数にのぼった。それぞれ前回調査から大きく伸びており、20歳代では3.9ポイント増、30歳代では8.4ポイント増となり、若年層の「時短」における意識の変化が読み取れる。
食費の節約方法についての質問は、「セール(特価)のときに買う」(77.0%)が1位。他の回答については年代によって傾向が分かれた。若年層では全体2位の「安く買える購入先で買う」が特に高く、20歳代は70.9%、30代は74.0%となった。
全体6位の「お得な大容量・増量品を選ぶ」は若年層の回答が多かったが、60歳~70歳代のシニア・シルバー層は1~2割と低かった。逆に全体5位の「材料を使い切る・使い切れる量しか買わない」は60代が46.3%、70代が45.3%と、一方の若年層は2~3割にとどまった。全体7位の「購入するものを事前に決め、必要なもの以外買わないようにする」は60代が29.0%、70代が33.6%とシニア・シルバー層の回答割合が全体と比べて高かった。
「食料品を購入する時にどのような安さ・価格に惹かれるか」という質問では、「コストパフォーマンスが良い(価格に対する品質が良い)かどうか」が57.8%が1位に。2位の「グラム・個数あたりの価格の安さ」(49.5%)は、前回調査に引き続き若年層で高い傾向となり、2023年11月の実施時と比較すると5.2ポイント増となった。グラム単価などを鑑みて、実質的な“安さ”などコスパを判断して買い物をする傾向が強まっているようだ。
調査では約6割が、今後も「食費は今と同程度節約したい」と考えていることもわかった。20歳代は前回調査比で13.7ポイント増の39.7%が「食費は今まで以上に節約したい」と回答し、他の年代よりも高い割合となった。一方、20歳代の「食費は今と同程度節約したい」は11.9ポイント減の49.7%となり、食費への節約意識の高まりが大きいことが読み取れる。