鳥栖 剛[執筆] 9/4 7:30

矢野経済研究所は9月3日、ECサイト構築支援サービス市場に関する調査結果を発表、2023年度の国内のECサイト構築支援サービス市場規模は前年度比6.5%増の2134億円と推計した。

ECサイト構築支援サービス市場は2027年に2500億円を超えると予測

矢野経済研究所によると、2020年~2021年度はコロナ禍の影響で実店舗の事業者などEC事業への新規参入が急増し、ECサイト構築支援サービスへの需要が大幅に拡大。ECサイト構築支援サービス提供事業者の業績は高い伸び率で成長した。2022年度以降は消費者の実店舗への回帰の動きが見られたが、ECでの購買が定着したこともありEC需要は引き続き成長した。

2023年度はEC事業への新規参入が落ち着き市場成長率は低下したものの、事業規模が拡大したEC事業者による上位サービスへのリプレイス需要が増加したという。2023年度のECサイト構築支援サービス市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比6.5%増の2134億円と推計。今後も市場は拡大する見通しで、2024年度は同5.9%増の2259億円、2027年度には2500億円を突破すると見ている。

ECサイト構築支援サービス市場のトピックもAI

ECサイト構築支援サービス市場におけるトピックとして「AI活用」をあげた。ECサイト構築支援サービスの主要事業者のほとんどがAIを活用し、さまざまな研究開発に着手。自社開発のAIサービスの提供、パートナー企業と連携してAI関連機能をEC事業者に提供する事業者が増えた。

EC事業者向けサービスでAIが最も活用されている分野は「商品説明文の自動生成」と指摘。EC事業者が人材不足に直面するなか、ITリテラシーが高くなくても簡単に商品説明文を作成でき業務負担を軽減できることがポイントだとした。また、AIがEC事業者のブランドイメージやスタイルを学習することで、ブランド独自のクリエイティブの提案・作成を可能にするようなサービスもあると補足している。

消費者からの問い合わせ対応は、ECサイト運営において大きな課題。そこで、AIチャットボットによる、接客などECサイト運用サポート機能の活用も広がった。AIチャットボット活用で消費者対応を自動化、業務効率を向上できることがポイントだ。また、ECサイトの運用側においても、EC事業者ごとにパーソナライズされたFAQとその回答をAIが推奨する機能を提供する機能もある。送料設定や在庫追跡など、あらゆる業務に対して迅速なサポートと具体的な指示を受けることもできる。

AIによる高精度な商品レコメンド機能もある。消費者の属性やECサイト内での行動履歴に基づきパーソナライズされた商品を推奨し、コンバージョン率を向上させるサービスも提供されている。

セキュリティ関連ではAIを活用したクレジットカードの不正利用検知、収集・項目設定・加工といった商品情報処理の自動化、AIとの対話を通じて希望の商品を検索・注文する対話型コマース、魅力的なコンテンツで消費者向けメール文を生成し配信するサービス、需要予測により在庫管理を最適化するサービスなど、さまざまなAIを活用したソリューションが提供・研究開発されている。

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