オンライン決済サービス市場は2028年度に約63兆円規模へ。2024年度は37.5兆円の見込み
矢野経済研究所が3月27日に公表した国内のオンライン決済サービス市場に関する調査によると、2028年度のオンライン決済サービス国内市場は約63兆円規模まで成長すると予測している。

2023年度は前年度比14.5%増の約32兆円に
2023年度のオンライン決済サービス国内市場は前年度比14.5%増の32兆2517億円と推計。BtoCのEC市場拡大に加え、対面決済領域、BtoB決済領域などへの対象拡大などを要因に市場拡大が続くとし、2024年度は前年比16%増の37兆4944億円になると予想した。
調査におけるオンライン決済サービスは、主にクレジットカードやコード決済などの決済サービス提供事業者、決済代行サービス提供事業者。
多様な決済手段に対応することでより広い層の消費者を取り込もうとする加盟店に対し、オンライン決済サービスプロバイダーは決済サービスの導入・利用促進を図っている。対象はサービス領域やデジタルコンテンツ領域へと拡大。リアル店舗や無人精算機などの対面決済領域、掛け払いといったBtoB決済領域のサービス提供に注力する決済代行業者も増えた。
オンライン決済サービス市場の展望について、BtoCのEC領域におけるサービス分野やデジタルコンテンツ分野へのサービス拡大、対面決済領域やBtoB決済領域においてもサービス提供がさらに進むと予測。2028年度のオンライン決済サービス国内市場は約63兆円規模まで成長すると予想した。
後払い決済は前年度比21.5%増の成長に
注目トピックとしては後払い決済サービスの拡大を取り上げた。後払い決済サービス(BNPL:Buy Now, Pay Later)市場は成長を継続し、2023年度の後払い決済サービス国内市場は前年度比21.5%増の1兆5317億円まで拡大したと推計した。

後払い決済サービス事業者では、分割払いサービスなど利便性や決済単価の向上を図る取り組み、サービス系ECや対面決済など利用シーンを拡充する動きがある。こうしたことから今後も市場は成長を続けると予想。2028年度の後払い決済サービス国内市場は約2兆8000億円規模まで拡大すると予測した。
調査概要
- 調査期間: 2024年12月~2025年2月
- 調査対象: オンライン決済サービスプロバイダーおよび関連事業者
- 調査方法: 矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用