2024年度の健康食品市場は1.2%減の8945億円、紅麹問題が響く。2029年度には9000億円規模に再拡大へ
矢野経済研究所が3月28日に公表した健康食品市場・機能性表示食品市場の調査結果によると、2024年度の健康食品市場規模は紅麹問題などの影響もあり前年度比1.2%減の8945億1000万円の見込みとした。
2025年度も紅麹問題の影響が残り、市場規模は同1.2%減の8841億4000万円と予測。健康食品市場の本格的な回復には時間を要するという。その後、緩やかな回復基調を辿り、2029年度の健康食品国内市場規模は再び9000億円に達すると予測している。
通販は2年連続の縮小、矢野経「紅麹問題は逆風も影響は限定的」
2023年度の健康食品国内市場規模はメーカー出荷金額ベースで9050億1000万円、2024年度は前年度比1.2%減の8945億1000万円の見込みと推計した。
流通ルート別にみると、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して外出機会の増加により、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの店頭ルートの販売が大幅に伸長。一方で、市場拡大のけん引役であった通信販売が競合激化により2年度連続で縮小した。また海外市場は大きく減少したという。
2024年度は、2024年3月に発覚した紅麹問題が大きな逆風となり、健康食品市場は縮小に転じる見込み。紅麹問題の対象商品がコレステロールを中心とする生活習慣病予防の機能性表示食品、打錠(錠剤)だったため、生活習慣病対策の錠剤やカプセル形状の健康食品や機能性表示食品に対して、消費者の摂取を止める動きや心象の悪化も一部で見られたとしている。
一方、粉末形状の機能性表示食品については大きな影響が見られず、剤型で大きく明暗がわかれたという。
生活習慣病対策の健康食品については、通信販売の定期購入で継続摂取する傾向も強いという。定期購入からの離脱が一定規模見られたものの、健康食品メーカーへの信頼から継続購入した消費者層も多い。紅麹問題による影響が軽微であった健康食品メーカーも多かったとしている。
2024年の機能性表示食品市場は約7251億円
注目トピックとして機能性表示食品市場の動向について取り上げた。2023年度の機能性表示食品の国内市場規模はメーカー出荷金額ベースで6813億1000万円と成長基調を維持。2024年度は前年度比6.4%増の7251億2000万円を見込んでいる。
食品種類別に機能性表示食品市場を見ると、2023年度まではサプリメント、一般食品(明らか食品)、生鮮食品ともに積極的な届出・展開が見られ、市場は高い成長を遂げた。
紅麹問題の影響が大きかった2024年度は成長率が鈍化したものの、機能性表示食品市場は前年度比6.4%増と引き続き成長基調を維持する見込みだ。
紅麹問題により逆風が吹いた錠剤やカプセル形状が含まれるサプリメント市場は前年度比7.6%増の見込み。紅麹問題を受けて機能性表示食品全体に対する一般消費者の心象が悪化したとの指摘もあるが、一般食品形状の機能性表示食品に関しては、大手メーカーを中心に機能性表示を前面に押し出した積極的なプロモーションが見られる。
機能性表示食品市場の成長率は低下を見込むが、2023年度までの積極的な商品展開による競合激化の影響が大きいとしている。
生鮮食品形状の機能性表示食品は、生鮮食品特有の問題である作況や生産・収穫量の問題に起因し、売り上げが横ばいもしくは減少で推移した事業者が多い。特に生鮮食品は近年、異常気象や災害の影響が大きく、機能性表示食品についてもその影響が見られる。受理件数の増加が機能性表示食品市場規模の拡大につながってきた2023年度までの状況が2024年度は落ち着き、市場成長率の鈍化につながったと分析する。
調査概要
- 調査期間: 2024年10月~2025年2月
- 調査対象: 健康食品製造・販売企業(健康食品メーカーを中心に一般食品メーカー・製薬メーカー等)、健康食品関連団体、管轄官庁等
- 調査方法: 矢野経済研究所の専門研究員における直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、郵送・メールによるアンケート調査、ならびに文献調査併用