カスタマーセンターサポート満足度で総合ECの1位はヨドバシ。テレビ通販はジャパネット、カタログ通販はベルメゾン
J.D. パワー ジャパンが発表した「2024年カスタマーセンターサポート満足度調査<EC・通販業界編>」によると、「総合ECサイト」部門の第1位はヨドバシカメラが運営する「ヨドバシ・ドット・コム」(総合満足度スコアは721ポイント)だった。
「テレビ通販」部門の1位はジャパネットたかた(同767ポイント)、「カタログ通販」部門の1位は千趣会の通販ブランド「ベルメゾン」(同743ポイント)。
3社は「利用のしやすさ」「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」「説明の丁寧さ/対応の丁寧さ」「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで、それぞれ最高評価を得た。また、ヨドバシは3年連続1位、ベルメゾンは2年連続で1位となった。
コールセンターの満足度は向上、チャットサポートは満足度が低下傾向に
2024年のEC・通販業界全体の総合満足度スコアは1000点満点中696ポイント。前回調査(2023年10月発表)からマイナス3ポイントとなった。
サポート機能別に見た前回調査との比較では、コールセンターの満足度は前年比13ポイント増。一方で、メールやチャット、FAQなどのオンラインサポートの満足度は前年から12ポイント減となり満足度の低下が見られた。「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」は同29ポイント減、「自動応答によるチャットサポート(AIチャットボット)」は同15ポイント減と、チャットサポートにおいて満足度の低下が顕著だった。
調査では問い合わせ用件の解決に要した労力についても聞いた。労力レベルを高負担、中負担、低負担に分類。有人チャット利用者では「高負担」と感じた割合が前年比で5ポイント増加した。有人チャット利用時の経験については「回答や説明がわかりやすかった」「問い合わせの内容はすぐに理解された」「用件に対して十分な知識をもって説明していた」といった項目を中心に低下が見られた。オペレーターとのコミュニケーションのなかで手間取ったことが、負担感の増加、満足度の低下につながったと見られる。
AIチャットボットは負担感に大きな変化は見られなかったものの、利用時の経験について「何回も質問を入力せずに、目的の用件に合った問い合わせ内容の選択肢が提示された」「あなたの知識や理解度にあった回答となっていた」「提示された回答の情報量は十分だった」の回答割合が前年より減少。目的の用件に沿った選択肢が示されにくいこと、情報量が不十分であることがAIチャットボット利用における満足度の低下に影響したと見ている。
今回の調査から、次回の問い合わせ時に優先的に利用したいチャネルとその理由についても聴取。コールセンターでは「的確な回答を得ることができるから」、有人チャットは「手軽に/気軽に利用できるから」、AIチャットボットは「利用したい時間帯/タイミングで利用できるから」がいずれも47%で最多となった。
有人チャットはテキスト形式で気軽に利用できるが、オペレーターとのコミュニケーションに負担感が感じられるとその魅力は薄れてしまう。AIチャットボットも時間帯を問わず、手軽に回答を得られるという利点があるが、精度が向上されないと利点が生かされない可能性がある。「有人チャットとAIチャットボットは今後も企業における導入率が高まっていくと想定されるが、サポート機能の改善がユーザーの利用拡大につながり、コールセンターの負荷軽減と各企業のカスタマーセンターサポート満足度向上に重要な役割を果たしていくと考えられる」(J.Dパワージャパン)とまとめている。
調査概要
- 調査期間:2024年8月上旬~中旬
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:EC・通販サービスにおいてカスタマーサポートセンターを利用した人(20~74歳)
- 調査回答者:4900人(総合ECサイト部門:2250人、テレビ通販部門:1050人、カタログ通販部門:1600人)
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