サプリメントや機能性表示食品の摂取率は約3割。紅麹関連で「安心感や信頼感が低下した」は29.4%【健康食品の消費者調査】
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矢野経済研究所が実施した健康食品に関する消費者アンケート調査によると、サプリメントや機能性表示食品の摂取率は約3割で、2024年3月に紅麹関連製品による健康被害発覚の報道がされたことで、健康食品や機能性表示食品への「安心感や信頼感が低下した」と回答した割合は29.4%だった。
調査期間は2024年10月~11月で、対象は20代以上の男女4942人。
健康食品(サプリメントを含む)の摂取状況(単数回答)について聞いたところ、「現在摂取している」(18.7%)「ときどき摂取している」(6.0%)「必要に応じて(不定期に)摂取している」(4.8%)となり、不定期の摂取を含めると約3割が健康食品を現在摂取している。
このうち、健康食品を摂取していると回答した1456人(男性704人、女性752人)に対し、具体的な購入・摂取の状況の調査を実施。年代別に20代から30代、40代から50代、60代以上の3つの年代に区分して調査結果を分析した。
その結果によると、健康食品の種類(加重平均)はおおむね男女とも全年代区分で2~3種類だった。1か月当たりの支出金額(加重平均)は、男女とも年代区分が上がるにつれ健康食品への支出金額が増額している。
摂取している健康食品の購入場所は、「Amazon、楽天市場などのショッピングサイト」「ドラッグストア、薬局・薬店」が上位に。60代以上の男女では「健康食品メーカーの通販サイト」の回答も多かった。「iHerbなどの海外通販(個人輸入)サイト」から購入するケースも見られ、20代~30代の男女では約1割が利用している。
健康食品の摂取目的は、男性では全年代区分で「疲労回復、滋養強壮」「健康維持・増進」が上位に。女性では全年代区分で「健康維持・増進」が最多、20代~30代では「にきび、毛穴の開きなどの肌トラブル予防、改善」の回答も41.0%と多かった。
健康食品を選ぶ際に重視する項目は、男女とも全年代区分で「価格」「配合成分の種類」の割合が高い。
紅麹問題をきっかけに「安心感・信頼感低下」は約3割
2024年3月に報道された、小林製薬の紅麹関連製品による健康被害を踏まえて、この報道の認知状況を聞いたところ、「報道について、詳細を知っている」(20.9%)「報道について、概要を知っている」(48.0%)「報道は耳にしたが、詳しくは知らない」(16.1%)「報道されたことを知らない」(15.0%)で、全体の85%が認知していた。
報道を認知していると回答した4199人(男性2166人、女性2,033人)に対して、健康食品や機能性表示食品に対する心象の変化を聞いたところ、最も多かった回答は「サプリメント全体に対する安心感や信頼感が低下した」で29.4%。「機能性表示食品に対する安心感や信頼感が低下した」の回答は7.4%となっている。
報道を認知している消費者の36.8%は機能性表示食品に限らず、サプリメント全体に対しての心象が悪化していることがうかがえる。
調査概要
- 調査期間:2024年10月~11月
- 調査対象:全国在住の20代以上の男女4942人(男性2597人、女性2345人)
- 調査方法:インターネット消費者アンケート調査
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