在庫管理業務のDX調査、1位は「残業時間削減」、2位は「定時退社が増えた」、3位は「有休取得が増えた」

在庫管理のDX化により、多くの人が効果を実感していることがわかった。導入費用と同等以上の効果を得られていると感じている人は、全体の6割超となっている

大嶋 喜子[執筆]

3月19日 7:00

ZAICOが実施した在庫管理業務のDXに関する実態調査によると、在庫管理業務のデジタル化により「残業時間削減」「定時退社が増えた」「有休取得が増えた」といった実感を得ている企業関係者が多いことがわかった。

調査対象は、在庫管理のDXが進んでいる企業の在庫管理業務担当者(現場層)115人、経営層109人からなる合計224人。調査期間は2025年2月18日~20日。

デジタル化による働き方の具体的な変化を聞いたところ、最も多かったのは「突発的な残業が削減した」で45.2%。これに続いて、「定時退社が増えた」が40.0%、「有給休暇の取得日数が増えた」が37.4%だった。

このほか、35.7%が「新しい業務にチャレンジする時間が増えた」、33.9%が「他部門とのコミュニケーションが増えた」と回答するなど、3人に1人以上が業務におけるポジティブな変化を実感している。

デジタル化による具体的な働き方の変化(複数回答)
デジタル化による具体的な働き方の変化(複数回答)

デジタル化以前の在庫管理業務における課題で最も多かったのは「在庫確認に時間がかかっていた」で58.8%。次いで、「手作業による入力ミスが発生していた」が53.6%、「棚卸作業に膨大な時間がかかっていた」が41.5%だった。

デジタル化以前の在庫管理業務における課題(複数回答)
デジタル化以前の在庫管理業務における課題(複数回答)

在庫管理業務のデジタル化後、具体的にどのような効果が得られたかを聞いたところ、最多は「在庫確認がスムーズに完了するようになった」で67.0%、次いで、「発注業務の効率が大きく向上した」が52.2%、「データ入力の手間が大幅に軽減された」が48.7%だった。

また、デジタル化以前の在庫管理業務における課題として3番目にあがった棚卸の作業時間に関しては、44.3%が「棚卸作業時間が半減した」と回答している。

在庫管理業務のデジタル化後に得られた具体的な効果(複数回答)
在庫管理業務のデジタル化後に得られた具体的な効果(複数回答)

在庫管理業務における具体的なデジタル化の取り組みを聞いたところ、「在庫管理システムを導入した」が62.1%で最多。「受注・発注など在庫管理関連業務の自動化」が45.5%、これに続き「バーコード、QRコード、RFID読み取りによる在庫管理」が39.7%で続いた。

在庫管理業務における具体的なデジタル化の取り組み(複数回答)
在庫管理業務における具体的なデジタル化の取り組み(複数回答)

デジタル化によって月間の平均残業時間はどのくらい削減されたかを聞いたところ、「30時間以上削減」が9.6%、「20時間~30時間程度削減」が19.1%だった。最も多かったのは「10時間~20時間程度削減」で24.4%。次いで多かったのは「5時間~10時間程度削減」で20.0%だった。

デジタル化によって削減された、月間の平均残業時間
デジタル化によって削減された、月間の平均残業時間

在庫管理業務のデジタル化が「人手不足の解消」にどの程度効果があったかを聞いたところ、「ある程度効果があった」が38.5%。「非常に効果があった」が30.3%となり、合わせると7割近くが人手不足の解消に効果を実感している。

在庫管理業務のデジタル化による「人手不足の解消」に対する効果
在庫管理業務のデジタル化による「人手不足の解消」に対する効果

「在庫管理業務のデジタル化による組織の変化」について聞いたところ、最多は「業務の属人化が解消された」で45.0%。続いて「部門間の連携が強化された」が39.4%、「データに基づく意思決定が可能になった」が36.7%だった。

在庫管理業務のデジタル化による組織の変化
在庫管理業務のデジタル化による組織の変化

在庫管理業務のデジタル化を進める上での課題は、「従業員の習熟に時間がかかった」が最多で30.3%。「データ移行に想定以上に時間がかかった」が25.7%、「初期投資コストが予算を超過した」が22.0%で続いた。

在庫管理業務のデジタル化を進める上で課題になったこと(複数回答)
在庫管理業務のデジタル化を進める上で課題になったこと(複数回答)

在庫管理業務のデジタル化による投資対効果を聞いたところ、「導入費用を大きく上回る効果が得られた」(38.6%)または「導入費用と同程度の効果が得られた」(22.9%)と回答した人が合わせて約6割だった。

在庫管理業務のデジタル化による投資対効果
在庫管理業務のデジタル化による投資対効果

調査概要

  • 調査名称:在庫管理業務のDXに関する実態調査
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2025年2月18日~20日
  • 調査対象:在庫管理のDXが進んでいる企業の在庫管理業務担当者(現場層)115人と経営層109人、合計224人
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