「Qoo10」のジオシスグループが約100億円を調達、日本→アジアなど越境ECを強化
アジア地域でインターネットショッピングモール「Qoo10(キューテン)」を運営するジオシスグループ(本社はシンガポール)は7月22日、約8200万米ドルの資金を新たに調達したことを明らかにした。
資金の調達先は、シンガポール最大のメディアグループSingapore Press Holdings Ltd(SPH)のほか、eBay、Saban Capital Group、UVM 2 Venture Investments LP、Brookside Capital、Oak Investment Partnersなど。
7月22日の為替レートをもとに算出すると、調達資金は日本円ベースで100億8600万円(1ドル=123円で換算)となる。
本社を置くシンガポールで「Qoo10」はトップシェアを獲得している。「Yahoo! シンガポール」と連動したプロモーションを行っており、会員数は175万人(2015年1月現在)。「会員数、売り上げ実績ともにシンガポールローカルサイトNo.1の地位を獲得」しているという。
今後は資本参加したSPHとコンテンツ、マーケットプレイス、小売、広告などで、戦略的な協力関係を模索していく。
今回の資金調達で、ジオシスグループの資本金は2億米ドルを超えた。システムやサービスの拡大、品質向上などを加速させることができるようになったという。今後はアジア地域(シンガポール、日本、インドネシア、マレーシア、中国、香港)でグローバルショッピング(越境EC)を拡大していく計画。
日本ではジオシス合同会社(Qoo10ジャパン)が事業を運営。日本の「Qoo10」は2015年6月に会員が500万人を超え、流通総額も2014年比で40%程度伸びているという。
今後は日本の商品に好感を持っているアジア各国のユーザーへ手軽に販売できる仕組みなどを拡充する。その実現のために、アジア地域への進出を検討している日本企業を支援するプラットフォームの構築を強化していく。
ジオシスグループはeBayとのジョイントベンチャーで、2010年6月に設立。増資前の資本金は1億2500万ドルで、eBayが49%、グループ代表のグ・ヨンベ氏を含む関連会社が51%を出資していた。
ジオシスグループはジオシス合同会社のほか、「ジオシス マレーシア」「ジオシス インドネシア」「ジオシス 香港」「ジオシス 中国」「ジオシス ソウルR&Dセンター」を展開している。