eBayから分社したPayPalが見据える日本における3つのビジネスチャンス

中小企業、モバイル、訪日観光をターゲットにしたサービスに力を入れる

中川 昌俊

2015年7月22日 11:00

PayPalは7月20日、eBayからの分社手続きが完了し、独立した公開会社としてNASDAQ市場へ再上場した。これを受け、PayPal東京支社は日本国内の戦略に関する説明を行った。

戦略説明会には日本のカントリーマネージャーであるエレナ・ワイズ氏が登壇。「これまでのデジタル決済はPCが主だったが、モバイルシフトによりリアルの決済もデジタル化し始め、市場は従来の10倍の3000兆円になっている」と述べ、PayPalが大きな市場を対象に事業展開できると説明した。

こうしたことを踏まえ、日本のビジネスでは特に、「中小企業」「モバイル」「訪日観光」の3つのビジネスチャンスをターゲットに事業へ取り組んでいくとしている。

PayPal・エレナ・ワイズ カントリーマネージャー

PayPalが狙う日本の3つのビジネスチャンス

従来から手がけてきた分野でもある、中小企業・スタートアップ・起業向けをさらに強化していく。

たとえば、開発するアプリやECサイトに簡単に決済を組み込めるためのAPI提供、海外展開を考える中小企業の越境EC化を支援すると説明した。

モバイルではすでに、ネスカフェやブルックスなどのカフェでモバイル決済サービスを導入しているほか、ヤマダ電機でもテスト導入を始めている。こうしたリアル店舗での導入をさらに進めていくという。

訪日観光向けでは世界中で使われるPayPalブランドが「安心・安全の証になる」と話す。

北海道のルスツリゾートやTokyo Otaku Mode、まんだらけなどがPayPalを導入し、売り上げ拡大につながった事例も出てきているという。

今後、東京オリンピックを迎えるにあたり訪日観光客が増えると考えられる。こうした訪日観光客向けに販売をめざす企業へのサービス導入を増やしていく考えを示した。

Paypalが狙う3つのビジネスチャンス

1998年に設立したPayPalは2002年にeBayが買収。今回、約13年ぶりに独立した。

そのメリットについてエレナ・ワイズ氏は、次のように説明した。

日本においてはeBayがそれほど大きな市場を持っていないので大きな影響はない。ただ、これまではeBayの子会社ということで、eBayの競合となるサービスに対しては、PayPalの決済を提案できなかったが、今後は垣根なくサービスの提案ができる。

この記事のキーワード

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00 B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略 9月3日 8:00 クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例 9月2日 7:00