大幅バージョンアップしたヤマト運輸の通販システム「YES!」。その詳細は?

従来に比べより簡単に操作できるようにした一方で、深く使いたいショップにはより深く使うための機能の充実を図った

中川 昌俊

2016年7月4日 8:00

ヤマトグループが提供するバックヤード業務の効率化統合パッケージ「YES!(Yamato Ec Solutions)」が、サービス開始1年を機に大きなバージョンアップを実施した。従来に比べ簡単に操作できるようにした一方、売上規模の大きい通販・EC企業に求められる機能の拡充を図ったという。詳細をヤマト運輸営業推進部の西塔貴海氏に聞いた。

PCの操作に慣れていない人でも簡単に利用

「通販のバックヤード業務をさらに簡単に、手軽にできるようにした」と、今回のバージョンアップのコンセプトを西塔氏はこう話す。

従来は操作マニュアルを用意し、それを読みながら操作する形だったが、リニューアル後は、操作内容に関する解説ボタンを各メニュー内にわかりやすく表示。マニュアルを読まなくても操作できるようにした。必要最小限の情報だけをシンプルに表示し、ショップに必要な機能だけを画面に追加できるようにしている。

最近は、ハンドメイドの商品をネットで販売している主婦も多くなっている。あまりPCの操作になれていないような人でも簡単に使えるようにとことん簡単にした。(ヤマト運輸営業推進部 西塔貴海氏)

手間を省く機能として、複数のサイトから自動的に受注データを取り込む機能も搭載した。従来、EC企業は送り状を作成するため、サイトごとに手作業で受注データ取り込む必要があったが、それを自動化。作業量が大幅に削減できるようになった。

商品管理機能や在庫連動機能まで、ヤマト運輸が提供する「YES!」が大幅バージョンアップした

必要最小限の情報をシンプルに表示する

送り状と納品書が一体、出荷時のミスを防ぐサービスも

今回のバージョンアップでは、売り上げが伸びているEC企業にとって、より便利な機能も追加された。

その機能の1つが商品管理機能。商品情報や商品写真、説明文などを「YES!」に登録しておくと、「楽天市場」店や「Amazon」店、「Yahoo!」店などの商品ページを自動的に更新することができる機能だ。

在庫連動機能も新たに追加。たとえば、在庫3個に対して店舗ごとに振り分けた場合、この機能を使うと1個売れればすべての店舗の在庫を連動して減らすことができる。在庫をすべての店舗に登録することができ、販売機会が広げ、販売機会の損失を防ぐことができる。

商品管理機能や在庫連動機能まで、ヤマト運輸が提供する「YES!」が大幅バージョンアップした

在庫連動機能のイメージ

こうした機能は、月額数万円が必要な通販システムには搭載されていた機能だが、「YES!」はランニングコスト無料で利用できる。

「YES!」は送り状と納品書を1枚の紙に印字できるサービスを提供している。一体であるため、帳票の付け合わせが不要となり、出荷時の作業ミスを未然に防ぐことができるという。

楽天は2016年9月から、出荷時のミスなどに対する違反点数制度を採用し、こうしたミスに対する罰則を強化する予定だ。そのため、こうしたミスを未然に防ぐサービスの需要が増えそうだ。

商品管理機能や在庫連動機能まで、ヤマト運輸が提供する「YES!」が大幅バージョンアップした

納品書一体型の送り状

今後は細かな機能改善に着手

従来、「YES!」に申し込み後、使いこなすことができずに継続利用していないケースも少なくない。今回のバージョンアップで、より簡単に使えるようにしたことで利用率が飛躍的に高まったという。

機能追加で、今までは機能が少なかったから、YESを使っていなかったというネットショップも「YES」を使いたいと言ってくれるようになってきている。今まで以上に、小さな店舗から大型の店舗まで幅広く、使っていただけるサービスになった。(ヤマト運輸営業推進部 西塔貴海氏)

今後も「YES!」の機能改善を行っていく予定。今後はユーザー企業の声を聞きながら、ユーザーが求めている機能改善をスピードを引き上げて対応していく予定としている。

ヤマト運輸営業推進部 西塔貴海氏
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