サイト開設から半年で売上1億円突破の秘訣は「原体験から生まれたコンセプト」にあり

韓国ファッションECサイト「HANILOOK」の成長の秘訣に迫る

ネットショップ担当者フォーラム編集部

2017年3月7日 9:00

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韓国ファッションの通販サイト「HANI LOOK」を運営するアラウンドは、サイト開設から半年足らずで売上1億円を突破する急成長を遂げている。同社の強みは、原体験から生まれたコンセプトとそれを実現するための細部へのこだわりにあるという。運用型広告専業代理店で、数多くのECサイト運用を成功させているオーリーズの鈴木多聞社長が、アラウンドの成長の秘訣を探るため、担当者にインタビューを行った。

ECサイト立ち上げを成功させる3つの原則

鈴木多聞氏(以下鈴木:では早速ですが自己紹介をお願いします。

片山優希氏(以下片山:アラウンドのCMO片山です。ニューヨークにある広告代理店から国内のネット広告DSPベンダーに転職。その後、アランウドを共同創業したという流れです。アラウンドではEC運営事業やPR事業を担当しております。

瀬古あゆみ氏(以下瀬古:「HANI LOOK」ブランドマネージャーを務めています瀬古です。「HANILOOK」のコンセプトメイクから商品選定、デザインディレクションなどブランド作りに関する業務を全般的に行っています。

鈴木:当社では数多くのECサイトの運用型広告の運用支援を行っていますが、サイト立ち上げから半年足らずで売上1億を超えるサイトはなかなかありません。まずは立ち上げにあたってどういった観点から作りこんでいかれたのですか?

片山:私たちは「HANILOOK」以外にもECサイトを運営していますが、ECを伸ばしていくためには大きく3つの原則があると思っています。

  ①「ニーズを提供できるコンセプト」
  ②「そのコンセプトを提案できる商品」
  ③「コンセプトに共感してくれる媒体社とのネットワーク」

── この3点が重要だと思っています。もちろんロジスティクスや在庫管理などのオフライン部分も言うまでもなく重要ですが。

左からオーリーズ川島氏、鈴木氏、アラウンド瀬古氏、片山氏

原体験を基にしたニーズからコンセプトを設定

鈴木:なるほど、今回はブランドという観点から3つのポイントを「HANILOOK」で具体的に掘り下げてお話いただけますか。

瀬古:まず①「ニーズを提供できるコンセプト」ですが、私たち「HANILOOK」は、「大人かわいいプチプラ通販」をキーワードにしています(プチプラとはプチ・プライスの略)。

今までの日本のマーケットではハイブランドと合うプチプラ商品がありませんでした。

たとえば「今日の主役は、このバッグ、それを邪魔せずに合わせられるトップス」「今日の主役は、このパンプス、それを引き立てるボトムス」。そういうニーズを満たすものがなかなかありませんでした。

もうちょっと踏み込んだ説明をすると、こういう気軽に合わせたい服って、今までは「安いものから入って、結果かわいい」を選ぶことが多かったんです。

そうじゃなくて、「かわいいから入って、結果安い」ってことが重要かなって。

だから、コンセプトはハイブランドと合う、大人かわいいプチプラ。バッグはちゃんとした物を持ちたい。特別なワンピースを着たい。ドキドキする一足で出掛けたい。

そんな想いのこもったスタイリングを邪魔せず、引き立てるようなアイテムを集めています。

鈴木:瀬古さんの原体験から出ている「安いものから入って、結果かわいい」ではなくて「かわいいから入って、その結果安い」というのはすごく面白いですね。どうして韓国ファッションなんですか?

瀬古:韓国ってすごく面白いんですよ。日本の芸能人さんとかって、テレビに出るときの衣装の金額は、結構高いことが多いですよね。ちゃんとしたブランドのものというか。

少なくとも百貨店だったり大手ショッピングセンターに入っているブランドの服を着用していることが多い。

でも、韓国の芸能人の方はさらっとHANILOOKにあるくらいのものを着こなしちゃって、自分を表現するのがすごく上手なんです。

たまにアイドルグループの衣装の価格が人によってバラバラすぎて、記事になることもあるんですよ。でも価格じゃなくてトータルの着こなしでバランスを取っているからこそ、起こり得ること。価格だけに捉われない、そんな文化が日本にもあっていいんじゃないかと思って。

そして、あとやっぱり価格の割に質の良い商品が圧倒的に多いです。デザインはみんな求めているもので、素材は日本ではかなり高いものとかたくさんありますし。

ただ、ここで大事にしていることは、韓国の商品を「そのまま提供する」のではなく、いかに日本人のスタイルや価値観にフィットさせられるか日々考えていますね。

インタビューに応える瀬古氏(左)と片山氏

メディアとの関係を良好にしながら露出を増やしていく

鈴木:商品を韓国から仕入・販売しているんですよね。ローカライズは日本向けの商品企画そのものに関わっているということですか。

瀬古:商品企画に関わるケースもありますがほんとにまだ1~2回程度ですね。ここから②「そのコンセプトを提案できる商品」に入っていきます。

韓国のファッションはブームも相まって日本での人気は上がっているものの、ちょっとラインが出すぎるデザインであったり、日本人からするとちょっと奇抜に感じるようなデザインも多いのが実際のところなんです。

たとえば、ワンピース1つをとっても、ワンピースとしては膝上がもうちょっと欲しいなって感じものがあったら、それは思い切ってカットソーやビスチェ、キャミソールとして取り扱ってみる。

そして、そういう商品の使い方をサイト上で私がディレクターコメントという形で提案したりしています。

鈴木:確かにサイト表記はすごく丁寧な印象がありましたが、商品登録の段階からそういう工夫があったんですね。

瀬古:あと重要なのはやはりその商品を通じてライフスタイルを提案したり、流行を作っていけるかですね。今回「パジャマ風セットアップとかシャツパジャマ」のライフスタイル提案がいい例だったと思います。

ここからは③「コンセプトに共感してくれる媒体社とのネットワーク」とかの話も入ってきますが、これ(画像)を見てもらってもいいですか。

借りちゃった感」にどきどき。シャツパジャマでCuteに彼を誘惑せよ♡
http://mery.jp/250133

これはMERYさんが求めていた「借りちゃった感」のライフスタイルの提案に共感できた事例だと思っています。

こういったキュレーション型メディアは比較してもらうものだから、トレンドを「追う」のではなくて、「作っていくこと」ができればいろんなラインナップがある中でも一層みなさんに受けて入れてもらいやすいと思っています。

あとはメディアさんに対して定期的にプレスリリースをきちんとお届けして関係性(ネットワーク)を作っていくことですね。その繰り返しです。

鈴木:御社がメディアによく取り上げられているのはそういう背景があったんですね。すごく勉強になりました。

売上の主軸はアフィリエイトや運用型広告

鈴木:最後に今後の成長戦略について少しお話しいただけますか。

片山:ここ最近の「HANILOOK」は各メディアさんとの連携で比較的、成長しているのは確かですが、誤解を恐れずに言いますとメディアさんとの取り組みは「商品を売るため」にやっていることではありません。

瀬古の言うようにあくまで「商品を通じてその背景にあるライフスタイルの提案」を行っているんです。

売り上げの主軸は今のところ、アフィリエイトと運用型広告を中心に作っています。ここはPDCAが回るのでポートフォリオを組んで、売上に比例して着実にシェアを伸ばしていく路線です。

あとはメールマガジンやLINEであったりインスタグラムであったり、CRMを徹底してLTVを上げていきたいですね。オーリーズさんの提供している運用型広告の運用代行はもちろん、計測ツールの導入やアクセス解析ツールの活用であったり、運用の全体最適化の視点からも多角的にアドバイスをもらいつつ、展開していきたいと思います。

鈴木:ありがとうございます。今回のお話を聞いて、やはり成長の背景には原体験から生まれた課題が明確にあって、それを解決するためのコンセプトと、実現できるディレクターの力がすごく重要だと理解しました。「HANILOOK」のメンバーとして今後の成長に貢献していきます。

片山:今回のお話がこのインタビューを読まれた方に何かしら価値のあるものとなれば幸いです。最後の最後に宣伝ですが、当社ではECのブランド戦略や運営代行も行っていますので是非お気軽にご相談いただければと思います。

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