「EC-CUBE」はバージョンアップでどう変わった? 株式会社ロックオンの担当者に聞いてみた
株式会社ロックオンは2015年7月に、推定稼動数3万店舗(株式会社ロックオン調べ)、国内No.1※のオープンソースECプラットフォーム「EC-CUBE」のメジャーバージョンアップを実施し、「EC-CUBE 3.0系」をリリースした。 ※独立行政法人情報処理推進機構「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」による
提供から約1年3か月、これまでどのような機能充実を進めてきたのか。また、EC-CUBEユーザーの切り替えはどのくらい進んできているのか。今後の展望とあわせてコーポレート戦略本部 コーポレート戦略部 EC-CUBE戦略企画課の梶原直樹課長に話を聞いた。 写真◎g’s photo work
プラグインの数も目標とした100本に到達
「EC-CUBE 2系」は約7年半以上前から提供をしてきました。マルチデバイス対応や、オムニチャネル対応、越境ECなど、ユーザーであるEC事業者が求める機能が変化している中で、より発展性のあるシステムにするために、これまでのシステムを引き継ぐのではなく、ゼロから作り上げる感覚で、「EC-CUBE 3.0系」にバージョンアップを行いました。
ユーザーやEC-CUBEを使ってサービスを提供する方から見た場合、「EC-CUBE 3.0系」は「EC-CUBE 2系」の後継サービスとなるため、「EC-CUBE 2系」と比べて同等、もしくはそれ以上の機能を求められます。
この1年3か月で12回にもわたるEC-CUBE本体のバージョンアップの成果もあり、現在は「EC-CUBE 2系」と比べても、そん色のない安定性を提供できるようになってきています。
また、EC-CUBE 3系の特徴として、バージョンアップがしやすく、昨今では非常に重要視されているセキュリティへの対応が行いやすいという特徴があります。
現在、EC-CUBE本体のダウンロードも約8割は最新版が選ばれており、新しくEC-CUBEを利用する事業者は、「EC-CUBE 3.0系」を利用する方が多くなっている状況です。
また、この1年で、「EC-CUBE 3.0系」向けのプラグインも充実してきました。すでにプラグインの数は目標としていた100本を超えました。今後さらにスピード感を持って増やし、より多くのEC事業者に「EC-CUBE 3.0系」を利用していただけるようにしていきます。
プラグイン開発だけでなく、API開発で外部との連携も
プラグインは、EC-CUBEで構築したECサイトの機能を充実させるものですが、APIはEC-CUBEの情報を外に持っていく、つまり、外部サービスと連携できるという点で異なります。
このAPI連携を充実させることで、すでに数多く公開されている他社のAPIと連携することができ、多くのサービスが利用できるようになります。そのため、プラグインだけでなくAPIも併せて開発を進めていく計画で、既にβ版まではリリース済みです。
「EC-CUBE 2系」ではどうしてもカスタマイズが必要でしたが、「EC-CUBE 3.0系」では、多くのプラグインや、APIと連携できる外部サービスの中から、必要な機能やサービスを自由に選び入れるだけで、自社独自のeコマースを運営できるプラットフォームにしていきたいと思っています。
EC-CUBEでは、「ECに色を」という考え方の下、それぞれのECサイトでオリジナルのおもてなしをしてもらおうと考えてきました。
そのために、オープンソースとして独自に機能開発を行っていただけるソフトウェアと、必要な機能をプラグインとして提供することでその実現をお手伝いしています。最近では、ECはネットだけの狭い世界のモノではなく、リアルとの連携や海外向けECといった、新たな分野への挑戦が重要になってきています。
そこで“すべてがECにつながる世界を”を合言葉に開発した「EC-CUBE 3.0系」で、これからのECに必要なあらゆる機能を提供。
これからはECサイトだけではない“eコマース全体”として独自のおもてなしを行っていただけるよう提供していきます。 (談)