アイティフォーは2004年からECサイト構築パッケージ「ITFOReC(アイティフォレック)」を提供し、現在約30社が同システムを利用している。オムニチャネル対応を進めている点が特徴で、導入企業の中には靴通販のヒラキ、下着ECの白鳩、東急百貨店など、通販・EC業界で有名な会社が多い。
ギフト機能、セキュリティにも強み
「アイティフォレック」の特徴としてオムニチャネル対応を進めている点が上げられる。アイティフォーは小売業向け基幹システム「RITS(リッツ)」の提供を行っており、この2つのシステムをシームレスに統合する取り組みを進めている。
具体的には在庫や顧客の情報連携ができ、すでにオムニチャネルを実践している導入実績が多い。例えば、婦人用靴の販売店「エスペランサ」を展開する神戸レザークロスでは、その在庫がある店舗の一覧をECサイトで常に確認できるようにして、ECサイトから店舗への送客、試着後の販売など、O2O(Online to Offline)を実践している。
「オムニチャネルを進めるにあたり、重要なのは店舗とネットの売り上げ配分をどうするのかにある。これがうまくいかなければ、店舗の店員はネットを紹介したくないし、ネットから店舗へ誘導することもなくなる。成功のためには、会社レベルで売上・計上の配分ルールを決定し、戦略を立てることが重要。当社では、これまでオムニチャネルの構築事例が多いので、こうした問題に具体的なアドバイスが行える」(小玉敏明取締役)。
東急百貨店、近鉄百貨店など百貨店からの導入も多いため、ギフト向け機能が充実している点も特徴。ギフトは通常のECとは異なり、複数の送り先に同じ商品を送る機能や梱包、のしなど複雑な機能が多い。「基本機能としてこうした機能を搭載しているため、百貨店やギフト事業者の導入が増えている。ギフトのノウハウでは他社を圧倒できている」(同)と言う。
金融機関や自治体向けのソリューションも提供もしており、こうしたソリューションと同等の基準でセキュリティ対策を行う。「金融機関や自治体は絶対に流出してはならない情報が多い。ECパッケージでも同様のセキュリティ基準で対策している」(同)と話す。
今後、分析機能の機能強化を進めていく。「EC事業者が売り上げを伸ばすためには、分析は必須の機能になる。現在のシステムの中で提供していきたい」(同)と考えている。
メール配信機能では、顧客の属性を絞って配信できる現在の機能に、店頭の購入履歴やCRM機能も付けるなど、EC事業者の売り上げ拡大につながる仕組みを提供していく考えだ。