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化粧品の広告で標ぼうできない「ターンオーバー」。使いたい時の発想法

皮膚の新陳代謝を表す「ターンオーバー」という表現に関する注意点(連載第36回)

稲留 万希子

2017年10月30日 8:00

主に基礎化粧品の広告などでよく目にする「ターンオーバー」という言葉。肌の健康的な新陳代謝を表す言葉ですが、最近は一部で問題視されている動きもあるようです。今回は「ターンオーバー」という表現について解説します。

「着目」が問題視

肌における「ターンオーバー」とは、表皮の新陳代謝や生まれ変わりを指しますが、化粧品もしくは配合している成分がこのターンオーバーに作用するかのような標榜は、化粧品の効能効果の逸脱とされ使用不可となります。

効果としてターンオーバーと言えないということは良く知られておりますので、

ターンオーバーに着目した○○

というように、“あくまで着目しているだけで効果ではない”という立ち位置で表現していることもあります

ただ、近年は「○○に着目」という標榜について「“あくまで着目しているだけで効果ではない”との言い訳で化粧品効能効果を逸脱する標榜をしている事例が多いのは好ましくない」と問題視されており、「着目」とすれば免罪符になるということではありません。

とは言え、ターンオーバーは印象的なワードであると同時に、化粧品が持つ機能を述べる上では鍵となる表現でもあり、可能であれば使用していきたい所です。

「ターンオーバー」と効果効能を切り離す

そこで、化粧品が持つ効果とは切り離して表現する方法を考えてみましょう。“効果には絡めない”のであれば、ワードそのものが否定されるというものではありません

暑い夏から寒い冬へ季節が動くこの時期は、ターンオーバーが乱れやすくなります。 こんな時期こそ、○○美容液。

角質層のすみずみまで美容保湿成分△△が浸透し、かさつきや乾燥が気になる肌をなめらかに整えます。

例えば上記のように、ターンオーバーを季節的な気がかりを指すものとし、商品としては化粧品の効能に留める範囲にすれば、「ターンオーバー」という表現すべてが不可ということにはならない印象です。

また

肌が本来持っているターンオーバーという機能を邪魔しない(妨げない)お手入れ方法

という切り口でも表現はできるものと考えます。

◇◇◇

当然“事実に基づき”という前提が必要となりますが、「ターンオーバー」という言葉そのものは工夫次第で広告に生かせますので、色々と表現を研究してみましょう。

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