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消費者の心をつかむ定番のフレーズとして、「○○限定」「新発売」「大人気」「今だけ」といったものがあります。 買う予定はなかったのに、このフレーズを見てつい買ってしまった……という経験がある方も多いかもしれません。

このような表現は購買意欲をかき立てますので、広告で積極的に使用していきたいところですが、やみくもに使えるものではありません。使い方を誤ると、薬機法(旧薬事法)や景品表示法等に触れるおそれがあるため注意が必要です。化粧品等、健康食品・雑貨、それぞれ確認してみましょう。

「最大」「最高」「日本初」「世界一」

化粧品等の場合は、事実にもとづく根拠があればOK

化粧品等の場合、原則として効果効能や安全性、製造技術・方法などについて「他社との差別化」をはかり「自社の優位性を強調する」表現(優秀性について事実に反する認識を得させるおそれのある表現)は不可とされています。

ですが、ルールを順守すれば使用できます。化粧品公正取引協議会における「化粧品の表示に関する公正競争規約」には、下記のような記載があります。

(4)最上級を意味する用語

「最大」、「最高」、「最小」、「無類」等最上級を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的数値又は根拠のある場合を除き使用することはできない。

(5)優位性を意味する用語

「世界一」、「第一位」、「当社だけ」、「日本で初めて」、「抜群」、「画期的」、「理想的」等優位性を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的数値又は根拠のある場合を除き使用することはできない。

化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 | 化粧品公正取引協議会
http://www.cftc.jp/kiyaku/kiyaku02.html

つまり、客観的事実に基づく具体的数値か根拠さえあれば、「○○限定」「日本で初めての新成分」「○○において第1位」などの表現自体は使用できるものと判断できます。もちろん前述の通り、効果効能や安全性について絡めることは「効能効果や安全性の保証の禁止」にあたります。

製造法に関する表現には要注意!

日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン(2017年版)」では、製造方法について最大級の表現に類する表現を行うことは、「その優秀性について事実に反する認識を得させるおそれがあるのでしないこと」とされています。

このため、

× 最高の効果!

× 日本一安心な商品

× 最高の技術

× 最先端の製造方法

などの表現は不可となりますのでご注意ください。

健康食品・雑貨の場合は制限なし(ただし業界内基準に注意)

健康食品や雑貨の場合は、化粧品等のような薬機法の制限を受けないため「○○限定」「新発売」といった表現を使用してはいけない、あるいは、表現における条件などが明確に決められてはいません。「○○限定」「新発売」が合理的根拠のある事実であれば表現可能です。

ただし、商品やその業界の中で自主基準が設けられている場合がありますので、ご注意いただくことをおすすめします。

「新発売」と「新製品」の期間は?

次に「新発売」「新製品」という用語についてです。医薬品等適正広告基準に下記のような記載があります。

(2)新発売等の表現について

「新発売」、「新しい」等の表現は、製品発売後 12ヵ月間を目安に使用できる。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について | 厚生労働省医薬・生活衛生局
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

2017年9月の医薬品等適正広告基準改正までは、「新発売」「新製品」のフレーズは6か月間とされていましたが、改正に伴い、12か月間に延長されました。改良点ですね。

「大人気」「今だけ」

化粧品等、健康食品・雑貨共通の考え方で判断する「大人気」「今だけ」といった表現ですが、基本は事実であるかどうかです。

結論としては訴求力をあげる目的が先走り、過剰になってしまうと不可と判断されます。最近の傾向として、

話題沸騰、お喜びの声が止まりません!

といったフレーズも不適切とされる可能性があることも意識しておくと良いでしょう。

今だけ」は、中長期に渡り使用できる言葉ではありません。「今だけ」が指す期間を明記しておきましょう。

ただし、期間を上書きして延長を重ねることは、不当表示になりますので注意が必要です。

「No.1表示」には調査機関名と調査期間の明記を

最後に、化粧品等の所でも触れましたが、共通項として、「第1位」などのいわゆる「No.1表示」を使う時には、事実に基づいて、調査機関名と調査期間を書き添えましょう。 特に最近では過去1年以内のデータであることが求められています。

景品表示法上は、適切な方法で公平に評価しているのであれば自社データでも差し支えありませんが、Yahoo!などの媒体考査においては、データの出典元は第三者機関によるものでないと不可と判断される場合もあります。

ルールを把握して、魅力的な広告を作成しましょう。

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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