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「もの忘れ」「認知力」「記憶力」はアウト! 認知系健康食品の広告における注意点

NGワード多数! 写真やイラストにも注意が必要な認知系健康食品(連載第41回)

稲留 万希子

2018年6月20日 8:00

近年、広告を取り巻く環境が大きく変化しており、特に健康食品の広告を取り巻く状況は「過酷」の一言につきます。今までは薬機法に配慮をしていれば指摘されにくいと言われていましたが、景品表示法の前では通用しません。景品表示法では言葉の1つひとつに限らず、「広告全体の印象」でも判断されるため、薬機法では「即問題」とならない表現でも指摘が入ることがあります

特に、認知系はダイエット関連と並び、表現に配慮が求められる代表的なジャンルと言えるでしょう。今回は「認知系健康食品」の広告表現の注意点をまとめました。

「認知系健康食品」のNGワード

認知系商材については機能性表示食品で「認知機能への機能性」が認められた商品が数多く登場しています。さらに、さまざまな医薬品も発売されていることから、医薬品でも機能性表示食品でもない単なる「食品」で、認知や記憶に作用するといった標ぼうは非常に難しいと言わざるを得ません。

まず「認知」「認知力」「記憶」「記憶力」といったワードはNGと考えるべきです。「記憶」については「認知」に比べるといくぶん使いやすいと言われていましたが、最近では「記憶」も「認知機能への効果の暗示」と判断されるようになったため、控えた方が良いでしょう。

続いて「知力」。「認知力」や「記憶力」に比べ、体への効果から若干離れる印象を与えるので、今までは健康食品でよく使われていた表現でしたが、それも過去の話。何かしら体本来の「力」に対して効果があるかのような表現をすることは、健康食品で標ぼう可能な範囲から逸脱し、不可となる恐れがあります。

また「知的健康」なども比較的よく見受けられる表現でしたが、こちらも「認知機能への効果」を暗示させるとしてNGとなる可能性があります。

知的に健康対策

知的な毎日を送りたい方に

歳を重ねても知的でありたい方に

などであれば使える範囲だと考えますが、「知的な部分に関わる栄養素です」など、成分の効果と絡めてしまうと不可となる恐れがあります。

もちろん、1つの言葉だけでなく広告全体の印象で「頭脳や認知機能への作用」と判断されてしまう場合は不可ですので、広告全体として過度な印象にならないよう配慮が必要です。

認知系商材でよくみられる「もの忘れ」「うっかり」といった表現はどうでしょうか。残念ながら「もの忘れ」は完全NGと言わざるを得ません。「認知機能への効果の暗示」として即指摘を受ける可能性があるので、控えた方がいいでしょう。

「うっかり」については、例えば、

「忘れちゃう」あなたにもOK! 1日1回(目安量)飲むだけだから簡単!

うっかりやさんに! 1日2粒(目安量)でOKのお手軽サプリ

など、「うっかり」が物忘れなどではなく、「性格」と解釈ができ、かつ、「そんな方でも忘れずに続けられる簡単なサプリ」という意味に解釈ができるのであれば、「うっかり」や「忘れちゃう」などは使えると考えます。ですが、

うっかり対策には●●成分がおすすめ!

このサプリを飲んで、うっかりが気にならなくなった

というように、成分の作用として「うっかりしなくなる」となると「認知機能の改善や向上」と解釈される可能性があるので要注意です。

写真やイラストにも配慮を

広告に使うビジュアルも配慮が必要です。特に写真やイラストなどのビジュアルは、コピーよりも大きな訴求になります。シニア世代などは広告の細かい文字などを読まない傾向があるので、ビジュアルなどで「認知症改善」を暗示させてしまうと、“引き”は良くても不可となるリスクがググッと上がってしまいます

よくやってしまいがちなのが、頭の上に「???」などを付け、「何だっけ?」「思い出せない……」と首をかしげて悩んでいるシニアの画像です。これは「認知症状の暗示」と解釈される可能性があります。

顔に手をあてて考え込んでいる画像などは即不可とはならないかもしれませんが、ネガティブなビジュアルは、深刻度が増すにつれリスクも上がります。やはり元気でハツラツ、にこやかな表情のシニアのビジュアルに留めるべきでしょう。

「何だっけ?」「思い出せない……」と首をかしげて悩んでいるシニアと、元気でハツラツ、にこやかな表情のシニア

コピーも重要ですが、画像も前向きでポジティブな印象を与えるものを使用すると、広告全体の印象が随分変わってきます。そのあたりもしっかり意識しましょう。

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