機能性表示食品を取り扱い始めているメーカーが増えています。機能性表示食品はもちろん店頭などでも販売されている商品もありますが、やはり、通販商品として展開する企業が目立ちます。通販で販売する場合、テレビ、雑誌、折り込みチラシなどの広告を使うのは通常の健康食品と同じ。ただ、機能性表示食品の場合、消費者庁に届け出たフレーズが公表されていますが、そのままそのフレーズ全文を利用しなければならないのでしょうか。

一部省略・簡略化・言い換え・追加説明をすることはOK

機能性表示食品の広告上のルールはまだ確立された訳ではありません(※)。現状ではただ漠然と、届出受理された機能および事実が表現できるということになっています。

※今年度中を目処に、健康食品の業界8団体で組織している健康食品産業協議会が、機能性表示食品の広告に関する自主ルールを策定する予定です。

逆を考えれば、「機能性(表示しようとする機能性)は、届け出たフレーズのまま全文使用しなければならないといった取り決めはない」ということになります。

そのため、「機能性(表示しようとする機能性)は、届け出たフレーズのまま全文で使用しなければならないのか」という問いに結論から言うと、広告内できちんと機能性が伝わっているのであれば、一部を抜き出してキャッチコピーにするのは差し支えないいと考えることができます。

消費者庁による「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」を見ても、消費者によりわかりやすい情報を提供するなどの目的で、届出表示の内容が誤認されることのないことを前提に、届出表示の内容を一部省略・簡略化・言い換え・追加説明をすることは差し支えない、と考えるのが妥当と言えるでしょう。

たとえば、表示しようとする機能性について……

本品には○○(成分名)が含まれます。
○○は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させるとともに、糖の吸収をおだやかにするため、食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇をおだやかにすることが報告されています。
本品は、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になる方に適した飲料です。

と届け出たと想定します。

この機能性について、消費者に対して誤解なく伝わるのであれば、単語を切り出して「○○(成分名)が糖の吸収をおだやかにする」「脂肪の多い食事を摂りがちな方に」などといっても差し支えないということです。

ただし、誤解を生むような切り出し方は不可となりますので注意が必要です。

一方、「食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇をおだやかにする」という表現で、故意に「食後」を削除し、タイミングに縛られずにいつでも血中中性脂肪や血糖値の上昇をおだやかにするような表現をすることは、誤解を招くため適しません

さらに、「食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇をおだやかにする」のは○○(成分)によるものであり、商品そのものの機能性ではありません。あくまでも成分としての機能性であることが伝わるように配慮する必要があると言えます。

なお、誤解を生まない配慮として、表示しようとする機能性全文が広告内のどこかに明記していくことが望ましいのではないかと考えます。

現状、広告のレベル感として考えるならば、「トクホ」が参考になるでしょう。

トクホでは公益財団法人日本健康・栄養食品協会が、「特定保健用食品」適正広告自主基準を出しています。トクホについてもあくまでも自主基準ですが、逆に公的なルールはないので、これが目安として用いられています。

この中には、

(2) 「許可表示」の直接引用以外の広告表現について
1)広告で製品を説明する場合、消費者によりわかりやすい情報を提供する等の目的で、許可表示の内容を一部省略・簡略化・言い換え・追加説明をすることは差し支えないが、許可表示の内容が誤認されることのないよう十分に注意すること。

2)審査申請書に添付した表示見本の記載内容・キャッチコピーは、そのまま使用することは差し支えない。

とされています。

業界全体で誤解を生まない表現を続ける努力を

現在はまだルールがしっかりと決められているものではありません。

ルールがないからと、届け出とは異なる広告などを行う事業者が増えると、今後決められるルールが厳しいものになる可能性もあります。業界全体で誤解を生まない表現を行っていただきたいと思っています。

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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