抜け毛が気になる季節になってきました。毛髪や頭皮のケア商品によく使われる表現に「浸透」があります。今回は、この「浸透」を使うときに気を付けるべきポイントについて解説します。
毛髪に関する化粧品の表現については、日本化粧品工業連合会による「化粧品等の適正広告ガイドライン」を参考にするとよいでしょう。
E3 「角質層・毛髪への浸透」等の作用部位の表現
化粧品において、細胞分裂が殆ど行われていない表皮の角質層や毛髪部分へ化粧品成分が浸透する表現を行う場合は、浸透する部位が「角質層」や「毛髪」の範囲内であることを明記すること。また、浸透して損傷部分が回復(治療的)する等の化粧品の効能効果の範囲を逸脱する表現は行わない。
なお、医薬部外品の作用部位の表現を行なう場合は、事実に基づき、承認を受けた範囲を逸脱しないこと。
〔表現できる例〕
「角質層へ浸透」、「角質層のすみずみへ」、「髪の内部へ浸透」
〔表現できない例〕
「肌へ浸透」、「肌の奥深くへ」、「角質層の奥へ」(「角質層」の範囲内であることが明記されていない)
「ダメージを受けた角質層へ浸透して肌本来の肌に回復」(回復的)
「傷んだ髪へ浸透して修復」(回復的)
「肌の内側(角質層)から・・・」(医薬品的)
「肌への浸透」と「髪への浸透」がまとめて記載されているので少々わかりにくいのですが、「髪への浸透」についてまとめると、
- 浸透する部位が「毛髪」の範囲内であることを併記する
- 浸透して損傷部分が回復するかのような表現は不可
- 「髪の内部へ浸透」は表現可能
- 「傷んだ髪へ浸透して修復」は表現不可
となります。
「内部まで浸透」とは?
上記では「髪の内部」とされていますが、広告で具体的に髪の内部構造の名称をあげてしまうと、効果の過剰な表現となるおそれがあるため注意が必要です。
具体的な名称としては「キューティクル」「コルテックス」といったものがありますが、それぞれ、下記のように考えるといいでしょう。
- キューティクル……髪の表面を指すため、具体的に「キューティクルまで浸透」としても差し支えありません。
- コルテックス……キューティクルより内部の「コルテックスまで浸透」とすると、過剰表現としてみなされます。
具体的な成分の浸透を表現したい場合には、あくまでも「キューティクルまで」とし、それより内部への浸透を言及したい場合は「内部まで浸透」と言い留めるようにするといいでしょう。あわせて図等を用い、具体的な名称をあげ、過剰に内部へ浸透する表現にならないよう注意が必要です。
なお、上記に挙げた日本化粧品工業連合会による「化粧品等の適正広告ガイドライン」ですが、2017年9月6日付けで2017年度版が一般に公表されています。2012年度版をお使いの方は、新しいものに差し替えいただくことをおすすめします。
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この記事の筆者
東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。
数々のサイトや広告物を見てきた経験を基に、“ルールを正しく理解し、味方につけることで売り上げにつなげるアドバイス”をモットーとし、行政の動向及び市場の変化に対応する薬事広告コンサルタントとして活動中。日々、大型セミナーから企業内の勉強会まで、多数の講演をこなしている。
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