「メタボ」「アンチエイジング」……男女問わず関心が高く、こうしたキーワードの検索は数多く行われています。健康食品や化粧品を販売するECサイトでは広告文言として積極的に謳っていきたいところでしょう。今回は「メタボ」「アンチエイジング」といったワードの利用可否について考えていましょう。

医薬品的効能効果を指すものなので基本的に使用は不可

まず、それぞれのワードの定義をみてみましょう。

  • メタボリックシンドローム

内臓の周囲に脂肪がたまり、それに加えて高血糖・高血圧・高脂血・ 高コレステロールの症状のいくつかを複数併せ持つ状態。 放置すると、糖尿病・動脈硬化・心筋梗塞などを起こす。メタボリック症候群。内臓脂肪症候群。

  • アンチエイジング

加齢に伴う症状の予防と治癒。老化防止。抗加齢。抗老化。

~「大辞泉」より~

いずれのワードは医薬品的効能効果を指すものであるため、許可を受けた医薬品以外の商品において、商品と絡める広告などで標ぼうすることは基本的に不可と言わざるを得ません。

1つずつ事例を見ていきましょう。

身体的ダメージではなく向上的生活シーンを連想させるものに

メタボリックシンドローム

「メタボリックシンドローム」に関しては、主に健康食品の販売シーンで見ることが多いワード。健康食品では、東京都主催の広告勉強会でも取り上げられる程、よく知られているNGワードの1つです。

「メタボリックシンドローム」や「メタボ」、「メタボ予防」という言葉に留まらず、「メタボ対策」「メタボかも?」といったようなワードも不可とされますので、注意が必要です。

NG事例として、

  • メタボ対策にお役立てください。
  • あなたもメタボ予備軍かも?!
  • メタボ検診にひっかかった!
  • 最近、メタボっぽくない? って言われる。

使用できるものと考えられる表現は、

  • いつも若々しく、前向きなあなたにおすすめです。
  • すこやかでムダのない毎日のために

といったように、プラスの表現を用いながら、身体的ダメージではなく向上的生活シーンを連想させるようなものにする必要があります。

「エイジングケア」や「エイジング対策」といった文言であればOK

アンチエイジング

「アンチエイジング」という言葉は、健康食品・化粧品両方において良く見る表現です。ですが、どちらの商材でも標ぼうすることは不可とされています。

健康食品の場合においては、上記の「メタボリックシンドローム」と同様、東京都主催の広告勉強会でも取り上げられる代表的なNGワードです。「アンチエイジング」とズバリ表現しなくても、若返りを連想させるものは使用できません。

ただ、「エイジング対策」いったワードであれば、言葉の定義を医薬品的効能効果に抵触しない範囲で明記することで、使用できるものと考えられます。

NG事例として、

  • アンチエイジングが気になるあなたへ。
  • この△△(商品名)で若さをキープ!

一方、使用できるものと考えられる表現は、

  • 美しくうるおい溢れる毎日のために
  • ツヤめきハリのある生活にお役立てください。
  • 今こそ◎◎(商品名)で、お手軽エイジング対策※! 近隣に
    「※年齢に応じた栄養面によるケア」と付記

といったものがあげられるでしょう。

化粧品の場合でも、健康食品と同様に「アンチエイジング」は不可とされておりますが、「エイジングケア」や「エイジング対策」といった言葉であれば使用できます。

ただし、化粧品は標榜可能な56の効能効果の範囲内で言及する必要があるため、「エイジングケア」「エイジング対策」とは何を指しているのか、定義を明記した上で、事実にもとづき、表記する必要があります

さまざまな広告で、「エイジングケア」というキャッチコピーの横に「※」印が入り、下部などに「※エイジングケアとは、年齢を重ねた肌にうるおいを与えることです。」などと記載されているのはこの理由によるものです。

この「エイジングケア」表現の使用に関しては、日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン 2012年版」のE17(36~38ページ)に、わかりやすくまとめられていますので、参考にしてみてください。

化粧品で「エイジングケア」や「エイジング対策」という言葉を使用する際には、

  • これがわたし流、簡単エイジングケア※!※年齢を重ねた肌にうるおいとハリを与えること

といった表現にすると問題ないということになります。

なお、“エイジングケア”とは、「化粧品等の適正広告ガイドライン 2012年版」で定義されているように、

加齢によって変化している現在の肌状態に応じて、化粧品等に認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢に応じた化粧品等によるケアのこと

です。

「エイジングケア」という言葉そのものを効能効果として認めているものではなく、あくまでもケア(お手入れ)を指すものですので、打消し(定義の明記)の有り無し問わず、 「エイジングケア成分」などと称する事は不可と判断されることに注意が必要です。

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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