日本国内ではさまざまな輸入食品が販売されています。なかでも中国の漢方系栄養ドリンク、アメリカのダイエット系サプリ、オーストラリアのプロポリスサプリなど、各国の特産品をベースにした商品は人気があるようです。こうした商材を輸入し販売する際、気を付けなければならない4つのポイントに整理しましょう。

≪ポイント1≫
含有成分の中に医薬品でしか使えない成分が使用されている場合、健康食品として販売できない

厚生労働省が食薬区分の基にリスト化している「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に収載されている成分が、商品の含有成分の中に認められる場合には、その時点で健康食品ではなく医薬品と見なされます(ただし、着色着香等を目的とした食品添加物として加えられていることが明確である場合には、医薬品と判断されない場合もあります)。

この場合、都道府県の知事を経由して輸入販売業の許可の取得と品目ごとの医薬品としての承認が必要となり、承認を受けずに販売を行うと無承認無許可医薬品とみなされ薬機法違反となります(その他にも外国の製造業者が薬機法第13条の3による認定を受けていないと、医薬品の製造販売承認を取ることができないなど、さまざまな要件があります)。

なお、含有成分が「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に収載されていないからといって、医薬品成分ではないとは限りません。

「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」と対照的に、厚生労働省が食薬区分において、その成分本質(原材料)が医薬品として使用されるものではないと判断したものをリスト化した「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」があります。このリストにも含まれていない場合、その場で成分の使用可否が判別できません。

商品の輸入営業所がある都道府県の薬務課(薬事監視課)経由で厚生労働省へ照会を求め、判断を仰ぐ必要があります。

また、成分名の記載名称も、上記の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に基づいて正確に明記するようにしましょう。

特に漢方系サプリメントの場合には生薬名がそのまま使用されている場合があります。「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」収載の成分であったとしても、モノによっては医薬品として使用される場合もあります。食品として使用する場合には、原則として基源植物名等を使用し、生薬名を使用しないルールになっています。

よくある例をあげてみますと。サンヤク(山薬)、タイソウ(大棗)、シャゼンシ(車前子)、チンピ(陳皮)、ヨクイニン、ボレイ、ハンピ(反鼻)……などが該当します。

これらの言葉はいわゆる生薬名であり、それぞれ、サンヤク(山薬)→ヤマイモ、タイソウ(大棗)→ナツメ、シャゼンシ(車前子)→オオバコの種、チンピ(陳皮)→みかんの皮、ヨクイニン→はとむぎ、ボレイ→カキ殻、ハンピ(反鼻)→マムシ、といった基源植物名などの表記にしなければなりません。

など、基源植物名と生薬名が同一である成分(原材料)……たとえば、カンゾウ、ウコン、ケイヒらについては、基源植物名などを使用することをもって生薬名を使用したとはみなされないものがあります。

≪ポイント2≫
管轄の検疫所に食品等輸入届出書を提出、合格判定で初めて輸入できる

食品衛生法に基づき、食品を日本国内に輸入する場合、管轄の検疫所に食品等輸入届出書を提出することが必要です。合格判定を得て初めて輸入ができるということになります。通関届け出の際は、原材料・添加物等の種類・成分や製造・加工方法などの記載が必要です。

詳しくは、東京都健康食品ナビ>輸入の届出(東京都のサイトにジャンプします)をご覧ください。

≪ポイント3≫
医薬品的形状のモノは医薬品と見なされ、不可とされるケースも

商品を見た時に、医薬品としか思えないような形(医薬品的な形状)の場合には、医薬品であると見なされ不可と判断される可能性があります。

たとえば、

  • アンプル……薬液や薬を溶かす液を入れる、密閉された容器です。主にガラス製で、注射液用途に使用されます。
  • 舌下錠……舌の下などに入れて、口腔粘膜から薬剤を急速に吸収させ薬効を発揮させるために用いる錠剤です。狭心症の発作を抑える用途などの特定疾患用に用いられます。

といった形式では、医薬品的形状とみなされますので注意が必要です。

≪ポイント4≫
輸入する健康食品の容器、包装、添付文書、広告物の内容に用法用量指定、効能効果は表示できない

健康食品と同様、医薬品的効能効果を標ぼうすること、用法用量の指定をすることはできません。明示/暗示含めて効能効果を標ぼうすることはできず、「食後に3錠」といったように用法用量の指定もできません。

輸入品の場合に特に注意が必要なのは、輸入した商品のデザインをそのまま使用するなど、現地の表記を残したままの場合です。たとえ、日本で解読ができる人が少ない言語だったとしても、日本語訳した結果、医薬品的効能効果や用法用量の指定を意味しているのであれば不可となります(容器包装という点では、食品表示法に則った表示が求められます)。

特に≪ポイント4≫においては、東京都薬事監視課主催の勉強会でも繰り返し案内されているところですので、注意が必要です。

≪参考資料≫

東京都福祉保健局ホームページ「物の成分本質(原材料)について」

※いずれも、2015年12月28日に一部改正されています。

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稲留 万希子

薬事法広告研究所 代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画、副代表を経て代表へ就任。現在、一般社団法人 通販エキスパート協会 代表理事を兼任。

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